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法規対策部

 
 
⑨がん治療と仕事との両立(その五)
2020-09-10
 これまで、Aさんからは、突然の告知から治療・再発を経て、治療に伴う苦痛に耐えながらも、働くことを模索し続ける思いについて伺ってきました。今回は、シリーズ最終回として、御本人の「素」の思いに耳を傾けたいと思います。
 
 
■現在は、どんなふうに働いていらっしゃいますか?
 普段はさほど意識していなくても、病気の不安は、ふとしたときに脳裏をかすめます。身体的には、とにかくひどい倦怠感に襲われるのですが、周囲の人に分かってもらうことはできません。気力も体力も発病前に比べれば、ことごとく「ない」状態です。「気を強く持って…」と精神力で片づけられるようなものでもありません。階段の昇降もかなり難しくなりました。特に太ももの筋力低下が著しいので、気を付けて歩く機会を作るようにはしていますが、筋力はとにかく落ちてしまいました。けれども、外見では分からないんです。
 
■確かに、お元気そうに見えますね。
 そうなんです。食事も普通に摂ることができます。元気なのに「なぜ?」と周囲から言われるわけです。そして「いつから時間外の仕事ができるの?」と。現在は主治医に診断書を書いてもらい、深夜の就業制限をつけてもらっています。日中は緊急案件にも対応していますが、仮に夜遅い時間帯に仕事をした場合にはバイオリズムを乱してしまうので。主治医とはしっかりと職場の状況についても情報共有を行い、必要に応じて診断書に細かいことも記載してもらうことにしています。もし、読者の中にも何らかの疾病の治療と仕事の両立に悩んでいる人がいたら、情報共有をしっかりすべきだと伝えたいです。
 
■気持ちのコントロールはどうされていますか。
 がんを宣告されたときは、どん底に落ちた感じでした。それ以外には言葉が見つかりません。仕事中であっても、急に真っ暗になるような。通勤移動中も急に不安に襲われ、涙が出てきて…。やはり、支えてくれる人の存在は大切です。家族とか病院の相談窓口とか、積極的に使った方が良いと思います。また、主治医に対して強がらないことも重要です。絶望感を抱いたとしても、特別なことではありません。素直に助けを求めることが必要でしょう。
 職場では、今、私の状況を周囲の職員に知らせています。ですから、3週間に1回、投薬していることも知っています。仕事は忙しいです。深夜にはならないようにしていますが、夜の9時半頃までは残業もしています。
 
■治療継続のためには、お金もかかりますね。
 そうなんです。元々入院保険は手厚くしていました。半年程度入院しても、がん保険が出たので助かりました。職場復帰して残業すると収入が上がります。標準報酬月額が上がると、医療費の限度額も引き上がることに。これが実は「イタい」ですね。
 入院中は、本当に手持ち無沙汰で仕方がなかったので、今は仕事ができることの幸せを噛みしめています。決して楽な仕事ではありませんが、突発的な業務に対しても、夜間でなければ対応しています。それにしても、資金面での通院保障は重要ですよ。本当にお金がかかりますから。
 
■最後に、県当局に対して、治療と仕事との両立を図る職員の一人として、伝えたいことはありますか。
 まず、手術・入院の後、段階的に職場復帰できるような「慣らし期間」を設定してもらいたいです。精神疾患の場合には、職場復帰訓練が設けられます。けれども、私のような身体疾患の場合には、徐々に体を慣らしていく期間が認められていません。これは本当にキツいです。また、短時間勤務制度も実現すると嬉しいです。今のところ、時短勤務と言えば子育て・介護職員のためのものという感じですが…。それから、外からは「見えない」疾病を抱えている人もいます。そんな「見えない苦しさ」への配慮ができるような組織になると嬉しいですね。
 
 
 淡々と、冷静に自身の経験を語るAさん。しかし、ここに至るまでの葛藤は計り知れません。自身の命と真正面から向き合い、毎日を生きるAさんの眼差しには、確かな意志が感じられました。「進行がんのため、手術をしても転移の可能性がある。諦めないといけないものもある。でも、当事者にしか分からないことや伝えられないことがある。今後、ピアサポーターの資格を取って同じような境遇の人を支えたい。」とのこと。県職も、Aさん同様、治療と仕事を両立する組合員を後押しすべく、県当局に対する働きかけを強めていきます。(完)
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