静岡県職員組合
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2006年度 県職ニューストピックス

 
フォーム
 
2006年3月号
2006年3月10日 定期第1264号

●全員の団結で06春闘勝利を
本部委員会で春闘方針・要求書を決定

 2月2日、組合は第178回本部委員会を開催した。委員会では確定闘争を総括し、県職春闘方針や春闘要求書を決定するとともに、06春闘勝利を目指した行動に取り組んでいくことを確認した。翌3日には春闘要求書を人事室長と人事委員会に提出し、06春闘を本格的にスタートさせた。
 

●課題山積だが、団結で跳ね返そう

 委員会の冒頭あいさつに立った鈴木委員長は、「全国に先駆けて勧告された『地域給』を受け、給与水準の切り下げ阻止に向けて対県闘争を闘ってきた。11月の交渉では枠組みを決めるにとどまり、小委員会交渉の中で詳細を詰めてきた。その結果が1月25日の副知事交渉で示され、現行の特別昇給の枠組み・給与カーブがほぼ確保されたため、妥結することとなった。昨年夏の人事院勧告からこれまでの長い取り組みに対し感謝する。新旧給料表の切り替えに伴う給与水準のダウンが未解決である。来年1月の昇給に向け、この春闘、確定闘争が総仕上げの闘いとなる。『地域給』の取り組みの経過を振り返り、これからの闘争の意思統一を図るのが本委員会の任務である。また、春闘方針を決めるという位置づけもある。民間では久々にベア要求されているが、春闘の取り組みも重視していくとともに、マイナス勧告をさせない取り組みもしていく。労働基本権回復も重要な局面を迎えている。勧告にない賃下げが蔓延する中、労働基本権を回復し、労働条件はすべて労使交渉で決めることを訴えていく。減額調整裁判は人勧制度の矛盾をついたものであり、取り組みを強化していく。つい数日前に県立3病院を非公務員型の独立行政法人化するとの答申が出された。非公務員型となると県職労にも入れない。2回の簡単な会議で○×△で評価して集約し、これで1500人が公務員でなくなるという話であり、組合としても総力を挙げて展開していく。たくさんの課題があるが、団結を重視し跳ね返していく。例年以上に重要な委員会となるが、各職場からの報告をいただきながら、より積極的、前向きな方針を決定していきたい」と述べた。
 

●多くの意見が出され白熱した議論

 その後、一般経過報告、中間会計決算報告、会計監査報告が提案され、それぞれの課題について取り組み結果が報告された。提案された各報告に対して、8人の委員から職場の報告や質疑が出された。昼休みの1時間確保、人事評価制度の弊害、多忙な職場実態、早出遅出勤務、総合病院の近況と3病院の独立法人化、「地域給」、減額調整裁判、病院支部設立についてなど、さまざまな報告・質疑が出され、これらに対し執行部から答弁がなされた。そして、委員の拍手によって承認された。
 引き続き、確定闘争総括(案)、春闘方針(案)、春闘要求書(案)、地域福祉要求書(案)が執行部から提案され、14人の委員から意見が出された。指定管理者制度、試験研究機関の再編、3病院の独立法人化、早出遅出勤務、長期療養者に対する課題(職場復帰、人員配置)、昇任昇格、春闘、平和、36協定、社会保険職場の状況、「地域給」、休息時間の確保、現業職員の実態など、さまざまな意見が出された。これらの意見に対し執行部から答弁があり、提案されたすべての議案が拍手で承認された。
 翌3日には、決定した春闘要求書を人事室長と人事委員会に提出した。その後、2月22日までのストライキ批准投票で闘争体制を確立し、早朝宣伝行動や拠点集会などを通じて運動の盛り上げを図っている。3月15日に予定されている副知事交渉で前進回答を勝ち取り、06春闘勝利に向け団結して頑張ろう。


▲第178回本部委員会で県職春闘方針や春闘要求書を決定し、06春闘勝利を目指して参加者全員での団結ガンバロー=2月3日、もくせい会館
 

●2月3日に県知事に提出した06春闘要求書 (項目のみ)

要求書
1 賃金・諸手当の改定について
1) 基本賃金については、組合が提案している「賃金改定システム」を基本に、組合員の生活を改善するため、組合員の生活実態から出されている基本賃金の一律13,500円以上の引き上げ要求等をもとに、労使交渉での合意により4月から改定すること。
2) 2005年賃金確定交渉での継続課題である地域給与・給与構造の見直しについては、生涯賃金確保を基本に、昇任年齢の改善や制度的改善で対応すること。なお、現在、総務省が開催している「地方公務員給与のあり方に関する研究会」の本県版を発足し、人事委員会の独立性や給与の在り方について調査・研究を行うこと。
3) 一時金は、期末手当に一本化し、当面、4.9月支給とするとともに、通勤手当をはじめとした諸手当について実態に即して改善すること。

2 労働条件等の改善について
1) 行政需要の増大や県民サービス向上に見合い、年休・育児休業などの権利が完全に行使できる人員増等環境整備を図ること。
また、時間外勤務縮減については、法定職場における36協定遵守のための効果的な対策を講じるとともに、旧16号職場における包括協定を締結すること。
2) 人事異動については、本人意向や事情を尊重し、組合との各種の確認事項を遵守すること。また、昇任格差是正については、人事異動作業の中で全力を挙げて是正に向け取り組むこと。
3) 職員の健康管理、安全衛生対策を一層強化、充実し、職場や階層から出されている諸要求については、誠意をもって交渉すること。
4) 組織・機構改革にあたっては、組合と事前協議し、一方的に実施しないこと。

3 基本政策の改善について
1) 地方自治・分権を推進すること。当面、中央省庁からの派遣(天下り)は削減・解消し、県から市町への幹部職員(助役等)の派遣も止めること。
2) 労働基本権を回復するよう政府に働きかけること。
 

●集中改革プラン 不当な合理化を許さない

 2月14日、県当局は「静岡県行財政改革大綱実施計画」(集中改革プラン)を発表した。「生産性の高い行政運営」による「県民満足度の向上」を目指し、更なる改革を平成17年度から21年度までの5年間で集中的に実施する、とのことであるが、一般行政部門の職員数を5年間で500人削減する、県立3病院・大学を独立法人化するなど、極めて問題の多い計画となっている。
 組合は、この計画に対し、「県立3病院独立行政法人化阻止行動委員会」を2月27日に結成するとともに、集中改革プラン全体についても対策委員会を結成し、対応していく予定である。「行革」の名の下に行われようとしている不当な人員削減を許さず、県民サービスを維持・向上させる立場で、今後の取り組みを進めていく。
 

●県立3病院の地方独立行政法人化阻止に向け行動委員会結成

 今回の集中改革プランの最大の目玉は、現在、地方公営企業法の一部適用で運営している県立3病院(総合病院、こころの医療センター、こども病院)の地方独立行政法人化である。県当局は集中改革プラン発表に先立ち、県立3病院運営形態検討会(廣部雅昭座長)の中間報告を受けているが、この中間報告はたった2回の検討会で十分な議論がなされず、大半の委員が現状の運営形態を評価する中、座長が一方的な判断でまとめたものである。
 2月27日に開催した「県立3病院独立行政法人化阻止行動委員会」では、この委員会結成を確認するとともに、以下のような「県立3病院独立行政法人化に対する基本的な考え」をまとめ、行動展開を確認した。今後、県民医療の公的サービスを守り発展させるため、独法化阻止に全力を傾けることとする。
 

●県立3病院独立行政法人化に対する基本的な考え

1 運営形態変更を求める県民の声は皆無である
2 運営形態「独法化」を求める意見がゼロでの「まとめ」
3 独法化の根拠・理由・必要性はゼロである
4 全部適用「がんセンター」の点検・検証なしは疑問
5 県民医療サービス、県立病院の在り方検討が先行すべき
 

●減額調整法廷闘争 舞台は東京高裁へ
2月28日、第1回口頭弁論開催

 減額調整裁判闘争は、11月4日の棄却判決後、11月9日に東京高裁へ控訴し、新たな局面に入っている。同様な裁判を行っている群馬・奈良も、第一審ではともに棄却判決となっている。2月7日には「減額調整訴訟第一審判決意見交換会」を開催し、和田教授(名古屋大学)を招いて講演を受けるとともに、同様の裁判を行っている群馬県職労との意見交換を行った。2月28日には東京高裁での口頭弁論を行い、組合の主張の正当性を訴えた。
 

●鈴木修原告団長が意見陳述
東京高裁での口頭弁論

 2月28日、原告団及び弁護団、傍聴者は、11時に自治労会館に集結し、口頭弁論打ち合わせを行った。鈴木博委員長、山梨県職労の松木書記長、自治労静岡県本部の勝亦調査部長からそれぞれあいさつを受け、経過報告の中で同様な他の裁判の状況などを確認した。続いて協議事項では、提出した第一準備書面(左記参照)の説明、本日の口頭弁論の進め方、最高裁への展望について活発な討議を行った。
 そして、東京高等裁判所第817号法廷に移動した。高裁での口頭弁論では小林弁護士が、労使交渉が憲法上の権利であること、不利益不遡及については原判決では理解が示されたことなどについて説明し、大橋弁護士は「生存的財産権」について次回発言したい旨申し出た。最後に鈴木修原告団長(副委員長)が意見陳述を行い、不利益遡及の不当性、公務員賃金が政争の具にされている点などを訴えた。高裁では口頭弁論は行わないことが多いが、原告団の熱意が通じ、4月18日にもう一度口頭弁論の機会を設けることとなった。
 

●静岡地裁判決の特徴と高裁判決に向けて
2月7日、名古屋大学 和田教授講演

 これに先立ち2月7日に和田教授を招き、意見交換会を行った。はじめにこれまで同様な裁判を行っている群馬・奈良両県職労も第一審ではともに棄却判決となっており、奈良県職労は高裁への控訴を断念し、群馬県職労は控訴したが、1月25日に棄却の判決が出ているとの報告があった。
 続いて、「静岡における地裁判決の特徴と高裁判決に向けて」と題して、当裁判の意見書を執筆した名古屋大学の和田肇教授から講演を受けた(右下囲み参照)。地裁判決の要旨と問題点、本件調整措置の法的性格及びその可否などについて再確認した。
 その後、群馬県職労の樋口副委員長から東京高裁での第二審判決の報告、大橋弁護士から控訴理由書の説明があった。続いて、2月28日に行われる東京高裁での口頭弁論に向けて意見交換を行った。
 

●最高裁への展望

 今後は、4月18日の第2回口頭弁論に全力で臨み、高裁での勝訴に向け最善を尽くす。最高裁判所への上告は高裁の判決によるが、最高裁の闘争でも、不利益遡及の違法性・不当性、人勧制度の矛盾などを主張していく。裁判闘争の意義付けや根拠を明確にし、確信を持って主張を展開していく。

次回口頭弁論
4月18日(火) 16:00~
場所:東京高等裁判所


▲東京高裁での口頭弁論を前に入念な事前打ち合わせを行う鈴木委員長(写真右端)、小林顧問弁護士(写真右から2番目)及び原告団・傍聴者=2月28日、自治労会館


▲今回の減額調整闘争の舞台となった東京高等裁判所
 

●「静岡県事件の高裁判決に向けて」より
地裁判決の問題点
名古屋大学 和田 肇 教授

 私は、本件地裁判決には、結論に影響を与えるために看過できない重大な問題点が含まれている、と考えている。
 第1に、同判決には大きな論理矛盾がある。つまり、同判決は一方で、「本件調整措置と不利益不遡及の原則との関係」を論じる中で、本件調整措置は、いったん条例により適法に確定した給与請求権を事後の条例で変更する問題と捉え、これが高度の必要性に基づくものであれば財産権に対する合理的な制約であるとして、高度の必要性の有無と合理性を検討している。しかし、同判決は他方で、「本件調整措置と全額払いの原則との関係」を論じる中で、本件調整措置は、過払いの事後的な調整の問題であるとして、その適否に関する最高裁判決に従って判断を行っている。つまり、前者では法的に確定した給与請求権の事後的な変更の問題としながら、後者では給与計算上の過払い分の調整の問題としているのである。これは明らかに相矛盾している。私は、静岡地裁に提出した意見書において、本件は前者の問題であると論じている。
 第2に、本件が、私見のように前者の問題であるとしたら、いったん成立した賃金請求権を事後的に法律によって奪うことは可能か。地裁判決はこれを肯定しているが、それは賃金債権と他の財産権の性質の違いを無視していると思料される。
 

●● 第一準備書面 要旨 ●

1.労使交渉・合意の慣行について
原判決(静岡地裁の判決)の判断は、地公法上の団体交渉権の理解に誤りがあるだけでなく、交渉権を議会の条例制定権を侵害するものとしてとらえていることで、二重に誤りをおかしている。
憲法28条の労働基本権の保障は、憲法25条の生存権の保障を基本理念とし、27条と相まって、経済的劣位にたつ勤労者に対し、実質的な自由と平等を確保するための手段であり、団結権・団体交渉権・争議権のいわゆる労働三権が国民の基本的人権の主要な一つとして規定されている。
争議権を奪われた公務員の労働条件を合理的、平等なものとして維持するため、人事委員会勧告という制度を設けることによって、辛うじて争議権禁止の根拠を合理化している。
勧告を受けた知事は、議会に提案する条例案作成の前段階において、誠意をもって、職員組合との交渉を行うべき義務がある。
過去においてほとんどすべて労使交渉により給与の合意がなされており、当局からこれを確認する文書が出されているなど、長年の労使慣行の存在を容易に認めることができる。

2.不利益の遡及的適用について
本件附則4項は、実質的にも、形式的にも、平成14年4月以降同年12月までの月例給を遡って減額するよう定めたもので、これは、法的には、給与の減額を遡って行わせるということであり、法的には、勤務条件の不利益な遡及的変更を定めたものである。
勤務条件の不利益な変更を遡って認めることは、法的安定性を崩壊させ、健全な労使関係を著しく破壊するもので、とうてい許されるものではない。
勤務条件の不利益変更を遡って行うことは、控訴人らによる本件附則4項に対する同意や合意の有無に関わりなく、このこと自体明らかに違法であり、そのような不利益変更は当然に無効であって、効力を有しない。

3.3月期の期末手当から控除の違法性
比較の方法を異にし、その官民格差の調整の内容も異にする月例給と期末手当を、この差を無視して、両者を混同させて調整することは、誤りである。

4.不利益遡及の不合理性、違法性について
原判決は、「本件調整措置は…結果的には、過去に遡って不利益に既払の月例給を減額したと同様の効果を生じさせている。」(原判決17頁)と判示し、被控訴人の主張のような形式論に与せず、実質を重視し、本件減額調整措置が不利益不遡及の原則に反するものだとした。この判旨は、控訴人らの主張に沿う正当なものと評価できる。
  一方、本件減額調整措置の必要性について、「国においても同様の措置がとられている状況の下では、官民格差の是正をすべく、4月1日に遡及して本件調整措置を実施しなければ到底県民の理解が得られず、県財政ひいては人事委員会勧告制度に対する信頼をも損ねることになるのであって、本件調整措置は高度の必要性を有する措置であったというべきである。」(原判決19頁)と判示している。
  しかし、「県民の理解が得られない。」とか、「県財政に対する信頼を損ねる。」との判示は、ただ単に、被控訴人が平成16年9月10日付の準備書面で主張しただけのことであり、これを裏づける証拠は全く存在しない。

5.結論
 以上のように、本件減額調整措置に合理的な制約として許容される余地は全くなく、かえって、それは、控訴人らの財産権を著しく侵害するものであり、さらに債務不履行、不法行為にも該当し、原判決は取消しを免れないものである。
 
2006年2月号
2006年2月10日 定期第1261号

●給与構造改革交渉妥結
現行の特別昇給維持、地域手当は来年度4%
副主任昇任1年前倒し

 
 給与構造の改革については、昨年の確定闘争で、「事務レベルで話し合いをして詰め、今年1月に成案とする」と最終回答された。これを受けて組合は、調査部経験のある役員を中心に小委員会体制をつくり、12月から1月にかけて5回に及ぶ小委員会交渉を実施して給与構造改革の詳細を詰めてきた。1月25日、副知事との交渉に臨み、副知事から以下のとおり給与構造改革の内容が示された(ポイントは下記のとおり)。「地域給」導入に伴う給料水準引き下げをカバーする回答ではないものの、現行の特別昇給がほぼ維持されること、来年度の地域手当が勧告通り4%となること、などの回答を受け、同日午後に開催した拡大執行委員会で妥結した。今後は公平・効率的な査定昇給枠の活用、退職手当改定について引き続き協議していく。

《給与構造の改革 回答のポイント》 
給料表および給料制度の見直しについて
 

・人事委員会勧告どおり実施する。
 地域給導入(給料表平均4.8%引き下げ)、ただしH18.3の給料を現給保障する、昇給時期は1月1日など

 

級別職務区分の整理について
  ・副主任への任用基準
大卒経験8年経過→大卒経験7年経過
・主幹の行政職新6級(現8級)への昇格は平成18年3月31日現在、7級に在職している職員に対して経過措置を講ずる(これまでどおり主幹経験2年で8級)。
・現在の6級以下に在級している職員に対して、専門監等の特定の職務に任用されなくても導入を予定している勤務成績評価制度のもとで、主幹としての勤務成績が一定の期間(2~3年)、特に良好または良好と評価された職員について新6級へ昇格させる運用を検討していきたい。(他の給料表は現行どおり)
・行政職・医療職(3)の副主任の到達給を1級下位にする。
行政職6級→5級(新3級)、医療職(3)5級→4級

 
地域手当について
  ・平成18年度の地域手当の支給割合を4%とする。
・平成22年度以降の地域手当の支給割合である全県一律6%は、現時点で6%と条例に規定するには至っていない。(現行の調整手当は廃止)

 
査定昇給の運用について
  ・以下のとおり実施する。
現行の特別昇給 改正後の査定昇給
3年6月 1号短縮 採用3年経過者 4号給プラス
(H13年度以前採用者)
 副主任任用時 6ヶ月短縮
副主任任用時 2号給プラス
(H14年度以降採用者)
 5年6月 6ヶ月短縮
 副主任任用時 6ヶ月短縮
副主任任用時 4号給プラス
係長級昇任時 6ヶ月短縮 係長級昇任時 2号給プラス
課長補佐級昇任時 3ヶ月短縮
(加えて行政職は運用代替3ヶ月)
課長補佐級昇任時 2号給プラス
5等級職(高卒・短大卒) 3ヶ月短縮 5等級職昇格 2号給プラス
運用昇給代替の特別昇給(医療職(3)、現行27月→主任昇任時に4号給プラス…引き続き協議)
※現行の1号給が新制度では4号給に相当
※昇給時期が遅れる(昇任後、最初に迎えた1月1日で昇給)。
・査定昇給案については、客観的で公正な勤務成績評価制度の導入に合わせ、職員の士気の向上や組織の活性化を促す観点から活用に努力していきたい。

 
期末・勤勉手当の役職加算について
 
  現行 改正後
5%加算 大卒経験 8年
高卒経験 13年
大卒経験 7年
高卒経験 12年
10%加算 主任・主査級経験 4年 主任・主査級経験 3年

 
勤務成績評価制度について
  ・管理監督職員以外の職員に対して勤務成績評価制度を導入することについて、評価制度の枠組みや今後の進め方について出来るだけ早く事務レベルの協議に入っていきたい。

 
 

●地方分権の推進、「改革」の労使合意を
1月17日 組合専従役員・知事交渉

 1月17日、組合専従役員は、石川知事との交渉を行った。交渉の中で組合から、(1)「三位一体改革」「道州制」など都道府県をめぐる情勢・課題に対し、地方分権拡大の観点から、より一層協力に行財政の権限移譲を国に求めること、(2)公務員の給与・人員への様々な「改革」に対しては、労使や現場とのコンセンサスを十分尊重し、納得できる「見直し内容」とすること、(3)「生産性日本一」を進める本県行政を担う職員の福利厚生面では、日本一とはほど遠いのが実態である。「持続的生産性」を維持するためにも職員の士気・健康・リフレッシュ高揚対策を図ること、などを訴えた。
 これに対し、石川知事からは、(1)「三位一体改革」「道州制」は有識者層が公式に発言し、世論喚起していくしかない、(2)地方公務員は国公準拠というが、国と地方の状況が変わってきている。内容が県民に分かるよう調査・公表していくべき。民間の成果主義が見直されてきており、給与構造改革はかなりマイルドなものになるのではないか、(3)よい案があればやるのはやぶさかでない、などの考えを示した。


▲石川知事に対し、地方分権の拡大、「改革」に対する納得できる労使合意、福利厚生の充実などを申し入れる組合専従役員=1月17日、県庁内知事室
 

●12月13日 時間外勤務実態調査
相変わらず多い時間外勤務者
 

 12月13日、県庁・各総合庁舎・出先の36協定締結職場の「時間外勤務実態調査」と「超勤実態アンケート」を実施しました。(3病院は事務部門)
 その結果、04年度と比較して全体的に若干減少しているものの、02、03年度より増加しており、「時間外勤務実態」は当局の「超勤縮減対策」とは裏腹に、女性も含めてほとんど変化なく推移しており、恒常的時間外勤務が続いています。
 また、「超勤実態アンケート」による時間外勤務の記入と命令は、昨年より減少しています。
 組合では、このような時間外勤務の実態を県当局との「超勤縮減検討会」に意見反映し、改善を迫っていきます。
 

●21時時点で725人が残業
昨年より増加

 「時間外勤務実態」は、19時時点で1352人(うち女性159人)、21時時点で553人(うち女性53人)、23時時点で154人(うち女性9人)でした。
 特に県庁では19時時点で782人(うち女性58人)、21時時点で353人(うち女性29人)、23時時点で141人(うち女性8人)でしたが、0時以降の退庁者は77人で、退庁者の最後は3時20分でした。12月県議会中ではありましたが、慢性的な時間外勤務が続いていると言わざるを得ません。
 

●時間外勤務の記入と命令は、昨年より減少
~「時間外勤務実態アンケート」に531人が回答~

 今回の調査に合わせて、「時間外勤務実態アンケート」を実施し、県庁支部144人、総合庁舎226人、出先の36協定締結職場161人、合計531人から回答を頂きました。時間外勤務で命令ありは120人(22・6%)、命令なしは149人(28・1%)と昨年より、命令ありが減少し、命令なしが増加しています。自ら申告は212人(39・9%)で昨年より若干減少しています。
 時間外勤務の理由は緊急業務が115人(21・7%)、通常業務が244人(46・0%)と、昨年よりいずれも減少し、その他と回答なしが172人(32・4%)で増加しています。職場で時間外勤務の理由を明確にさせることも課題となっています。
 時間外勤務命令簿への記入については、記入なしは昨年より減少したものの75人(14・1%)います。記入なしは超勤不払いであり、労働基準法違反です。使用者は記入するように指導し、労働者は記入することを義務とするように徹底することが重要となっています。
 いずれにしても、日常的な業務の増大と人員不足が時間外勤務の増大につながっています。時間外勤務命令の申請運動強化により、超勤実態を明らかにし、人員増に結びつけていくことが重要です。
 

●時間外勤務実態調査・時間外勤務アンケート グラフ









 

●農業改良普及連絡会設立

 自治労には「普及評議会」という組織があり、農業改良普及事業にかかる諸課題の解決に向け、情報交換や組織強化を行っています。各県職にも普及協議会またはそれに準じる組織があり、全国情勢の把握や職場における課題の改善に取り組んでいます。
 普及指導手当が減額され人員削減も進む中、県職でも普及指導員が集まり、さまざまな課題に対する意見を集約し改善に結び付けていく場として「農業改良普及連絡会」を設立しました。初代会長には興津善徳さん(中部農林)が就任し、各農林事務所から役員を選出して連絡会を運営していきます。
 1月31日に鈴木委員長と北村農業水産部長との話し合いを行い、「農業改良普及連絡会」への理解を求めるとともに、今後の普及指導に配慮するよう要請しました。2月10日には「農業改良普及事業にかかわる要求書」に関して、川島農業総室長との交渉を実施することになっています。


▲北村農業水産部長(写真左から2番目)に「農業改良普及連絡会」への理解と今後の普及指導への配慮を求める鈴木委員長(写真右から2番目)と農業改良普及連絡会のメンバー=1月31日、農業水産部長室
 

●官民連帯しての賃上げ、組織強化と権利拡大を
06春闘スタート

 1月6日、組合は春闘討論集会を開催し、80人が参加した。集会では、県職鈴木委員長及び自治労県本部鈴井委員長のあいさつの後、労働大学講師の善明建一氏からに講演を受けた。その後、県職春闘方針や春闘要求書が提起され、休憩を挟み、参加者が3グループに分かれて分散会を行った。集会終了後は恒例の旗開きも行い、今年の組合活動を本格的にスタートさせた。

 鈴木委員長はあいさつで、「春闘討論集会では、労働運動全般や春闘についての講演を聞くが、10年前と比較して来てほしい講師が減ってきた。これは春闘が萎縮し、マンネリ化しているのを反映しているのではないか。今年は久しぶりにベアを取りにいく春闘となっているが、経済界の許容範囲で賃上げ要求しているように感じる。これを上回る春闘を再構築する必要がある。『地域給』を始めとする賃金抑制攻撃は第2ラウンドに入るが、春闘に合流する中で取り組んでいく。減額調整裁判も、公務員制度・権利に関わる闘争と位置づけ、闘っていく。県職は今年結成60周年であり、流れを変えていく意味で極めて重要な年である。本集会で忌憚のない意見を出し、意思統一を図っていきたい」と述べた。続いて県本部の鈴井委員長から、「『地域給』は県内市町村でも、4月から実施されるところが多い。ひとつ間違えると生涯賃金が1000万円下がる恐れもあり、全力で取り組んでいかなければならない。富士宮市では8%もの賃金カットが実施された。市長は1年3月のカットに対し、職員は5年3月ものカットである。このような提案を跳ね返すには大衆運動が必要であり、労働組合の力を強めていかなければならない。平和も危機に瀕している。ともに頑張ろう」とあいさつがあった。
 その後、労働大学講師の善明建一氏から「春闘再生に向けての課題」をテーマに、今年の春闘情勢や新自由主義、労働者の連帯の重要性などについて講演を受けた。(左参照)。講演後、県職の春闘方針(案)を杉山書記長から、春闘要求書(案)を鈴木副委員長から、それぞれ提起があった。
 休憩を挟み、参加者が3グループに分かれて分散会を行った。05確定闘争や給与構造改革、06春闘や職場の課題などについて活発な議論を行い、問題点を共有化するとともに、春闘勝利に向けて意思統一を図った。
 春闘方針と要求書は、2月2日の本部委員会で最終確認し、いよいよ春闘が本格化する。今後は、官民連帯しての賃上げ、組織強化と権利拡大に向け、県職一丸になって取り組んでいく。


▲県職結成60年目の春闘討論集会で、春闘への合流となどを訴える鈴木委員長=1月6日、もくせい会館・第1会議室
 

●基調講演
「春闘再生に向けての課題」
善明建一氏(労働大学講師)

 大企業がリストラで史上最高の利益を上げている。製造業では45歳以上の従業員がいない企業もあり、技術力のある人材が不足している。質の高い労働力はお金を出さないと集まらない。大企業と中小企業の賃金格差は拡大し、下部労働者の不満が高まっている。トヨタの一時金は250万円と言われるが、中小企業は一時金では配分されない。労働者を分断するのは資本家の常套手段である。3人に1人が非正規労働者であり、彼らの票は反自民に行くべきであったが、昨年の総選挙で彼らは自民に投票した。公務員バッシングをせよという意識が働いたと思われるが、労働者で連帯し、信頼関係をつくることが大事である。
 新自由主義とは、政財界による民営化である。94年の総務庁行革委員会による規制緩和、98年の橋本首相による「六大構造改革」と金融ビックバン、01年以降の小泉内閣による公団・郵政の民営化、市場化テストなどが新自由主義である。これらに対して労働組合は、公契約条例などで対抗していく必要がある。小泉首相は「経済財政諮問会議」や「骨太方針」を通じて、定率減税の廃止や所得控除の全廃、消費税の増税をもくろんでいる。三位一体改革で地方財政は危機に陥る一方、権限は地方に移譲されない。さらに、海外進出する企業の権益の安定、外国の民主化という名目で憲法9条を改悪しようとしている。
 二極化社会の是正に対しては、官民・企業間・地域で学習し、方向を持って連帯して運動することが必要である。新自由主義に対抗する国家論「労働を中心とした福祉型社会」を打ち立てられるのは労働組合しかない。職場の中でもよく相談しあい、合意形成し、改正要求に結び付けていく必要がある。職場の合意を取らなければ、当局も合意しない。出来ることからやっていくべきである。
 
2006年1月号
2005年1月1日 定期第1259号

●2006年
結成60年を機に、地域と生活の平和・安心へ前進を
主要課題・第2ラウンドの年

年頭のごあいさつ
執行委員長 鈴木 博

 新年明けましておめでとうございます。
 例年にない寒さの中での年明けとなりましたが、正月は如何だったでしょうか。今年も組合員の皆さんにとって良い年になることをまずもって御祈念申し上げます。
 さて今年は、当組合結成60周年の記念の年となります。60年は人間で言えば「還暦」であり「定年の年」とも言われますが、当組合では、先輩諸氏の努力と苦闘により築いた60年の歴史の重みを継承し、新たな情勢に立ち向かう「セカンドステージ」への再スタートの年と位置づけたいと思っています。
 特に昨年は、大きな課題が生じた年でした。50年ぶりの賃金改悪とされた「地域給」の導入、民間ではあり得ない不利益遡及を訴えた「減額調整訴訟」の一審敗訴判決、そして平和憲法改悪の顕在化等々です。これらの課題は今年へと継続され、まさに第2ラウンドの闘いとなります。私たちは、改めて、給与水準維持、労働基本権回復、改憲阻止の基本要求を確認し、巻き返しに転じる方針です。
 また、ここ数年来意図的に強化されている「公務員バッシング」を阻止・終結させることも重点課題であり、全国の自治体労働者と連帯するとともに、静岡県職らしい個性を持った活動を展開していきたいと考えています。
 さらに、都道府県のあり方が問われる時代に入っている情勢下、不当・不必要な合理化を許さないためにも、私たち自身から展望を切り開く制度・政策活動の重要性が高まっていくことを認識し、組合としての任務を果たしていく所存です。
 このように今年も課題山積の年ですが、組合員の皆さんの協力を得て、前進・躍進する一年にしたいと決意しているところです。従来に増しての協力を重ねて要望し、新年のごあいさつとさせていただきます。

 

●平和憲法と共に60年 平和憲法学習講演会
静岡県職結成60周年記念事業オープニング集会

 静岡県職は、今年7月8日に結成60周年を迎える。これを記念して、本部・支部でさまざまな記念行事を行い、60周年を振り返るとともに今後の発展に向けて団結を確認することとしている。本部では12月8日に、オープニング集会として平和憲法学習講演会を開催し、組合員及び退職者の会会員を含め137人が参加した。集会では、平和問題研究家の津田公男氏により「守るべき憲法の中身と改悪に動く内外の政治経済情勢」と題して講演が行われるとともに、県職の憲法基本方針「平和憲法とともに県職60年」が提起された。

 集会は、勝又組織部長(結成60周年記念事業実行委員会事務局次長)の司会で進行した。はじめに鈴木委員長(実行委員会実行委員長)から、「憲法を取り巻く動きは錯綜した状況にある。県職では自衛隊や安保を憲法違反と主張し取り組んできたが、解釈改憲が積み重ねられ、今は衆参両院の憲法調査会や自民・民主で改憲案が出されるなど、改憲が具体化している。8月の自治労大会でも、本部の方針案では、9条2項の取り扱いがあいまいであったため修正案が出され、結果として憲法前文と9条1項、2項とも堅持する方針となった。戦争が終わって60年経ち、来年度以降組合員は100%戦後生まれとなり、憲法に対する考え方も若干変わりつつある。しかし、本日は平和憲法を守り、発展させるスタンスを確認するための本集会を開催した」と述べた。
 続いて、来賓として自治労県本部の鈴井委員長から「満州事変から始まったかつての戦争では、日本は加害者であったことが忘れられている。平和運動が弱体化しているが、自治労の護憲の旗を守り、戦争の決意を固めたい」と、県職退職者の会の宮川会長から「自衛隊はサマワで何をしているのか。マスコミが触れていない部分を読み取り、問題点を追及すべき」と、あいさつがあった。
 続いて、平和問題研究家の津田公男氏から、「守るべき憲法の中身と改悪に動く内外の政治経済情勢」と題して講演が行われた。日本の軍事力や日米安保の実態、憲法9条の議論などについて学び、9条を守る運動を広げていくことを再確認した。(別記1参照)
 講演後の休憩では、戦時中の食事を模したすいとんの試食が行われた。参加者は、戦時中の食事を体験しながら、平和について考えた。休憩後、戦争体験者の話として、県職退職者の会の梅原さんから話を伺った。物資に乏しく、過酷な軍隊での体験の様子を知ることができた。
 そして、鈴木副委員長(実行委員会事務局長)から「平和憲法とともに県職60年」が提起された。県職結成60年と日本国憲法公布60年を結合し、光輝く憲法の平和主義を守り、憲法を発信、発見、発展させる「発憲」運動を推進する基本方針案(別記2参照)が示され、参加者全員で確認した。その後、各支部・各関係団体から、護憲と60周年記念事業成功に向けて決意表明があった。
 県職は、結成60年という記念すべき今年、本部・支部でさまざまな記念行事を行う。特に7月8日には本部で記念集会を行い、60周年を振り返るとともに今後の発展に向けて団結を確認することとしている。憲法をめぐる動き、そして私たち公務員・労働者を取り巻く情勢は厳しいが、県職の団結を再確認し、平和憲法を発展させ、労働者の権利を維持向上させるよう、運動を広げていきたい。


▲大勢の参加者の前で60周年を迎えた県職を代表して挨拶をする鈴木執行委員長=12月8日、ブケ東海静岡カトレア


講演の休憩中には2種類の「すいとん」を試食し、平和について考えました。
 

●「守るべき憲法の中身と改悪に動く内外の政治経済情勢」(別記1)

▲津田公男氏(平和問題研究家)
 日本の憲法には「戦力を持たない」と書いてあるが、軍事費は世界第2位である。日本軍事力の目標は「我が国の平和と安定」だったが、今年から「国際社会の平和と安定」を加えて二つとなった。脅威認識が軍事からテロ、海賊などに広がるとともに、中国脅威論もうたわれ、自衛隊もハイテク化、編成の少数化・独立化などの「構造改革」が行われている。
 日米安保条約には、「日本に対する攻撃に共同で対処」(第5条)、「極東で米軍が動くとき在日基地を使用できる」(第6条)と書いてあるが、今、在日米軍はイラクに行っており明らかに安保条約に違反している。100を超える外国軍の基地があるのは日本だけであり、首都や都市周辺、沖縄に密集している。国民の税金で米兵のゴルフやカラオケまで面倒を見ているのは異常である。
 歴史認識問題とは、日本政府が植民地支配や侵略の事実を認めた「反省とお詫び」の問題であるが、近代日本の戦争は「自衛戦争」とする「靖国史観」による歴史の修正がはかられようとしている。靖国神社は天皇・国家のために戦死した英雄を祀るものであり、一般人の犠牲者は祀られていない。首相の靖国参拝の違憲訴訟では、福岡地裁・大阪高裁で違憲判決が出ているが、合憲判決は出ていない。
 憲法議論をめぐり、新自由主義(市場原理・効率優先、「構造改革」推進)、旧自由主義(既得権益、政官業癒着などの抵抗勢力)、社会民主主義(平和、福祉、環境など弱者にやさしい国家をめざす)と、国論が分裂している。9条改憲では、新旧の自由主義が連合して社会民主主義と対決している。主な論点は、下記のとおりである。
 政府の今までの「防衛原則」は、「専守防衛」「海外での武力行使はできない」「集団的自衛権は行使できない」「大量破壊兵器は保持しない」「徴兵制はとらない」「文民統制」「武器輸出禁止三原則」「非核三原則」などであるが、この原則が政府自身によって転換されようとしている。
 憲法9条は、「戦力を持たない」とする第2項によって、国連憲章より先進的な内容を持っており、ここが最大の論点であり焦点である。9条は憲法施行当時の国民の8割から支持され、今でも6割から支持されている。国会議員の8割が改憲志向だともいわれる中、「平和を守れ」の運動や国民世論の盛り上げが決定的に重要であり、「重層的多角的に」協力しながら広く結集していくことが重要である。

憲法9条の論点
9条と「現実」の乖離は  憲法を現実に合わせる/現実を憲法に合わせる
自衛権は  放棄/放棄せず/自衛権はあるが、武力による行使を放棄
現状の自衛隊は  合憲/そもそも違憲/縮小すれば合憲
憲法理念は  国連憲章と同じ/国連憲章を超える
海外派兵は  できない/武力行使と一体でなければできる/できる
集団的自衛権は  ある/あるが行使できない/ない
国連の集団安保活動は  国連決議があれば参加できる/できない
 

●「平和憲法とともに県職60年」(別記2)
―結成60年を憲法60年と結合し、歴史をふりかえり、さらなる発展をめざす基本方針案―

1.光輝く日本国憲法
現行憲法は、1947年に施行されました。二度と戦争を行ってはいけないという平和・不戦を誓い、一切の武力はもとより交戦権をも否認する、徹底平和主義の光を世界に発信しました。
その後の冷戦体制下、日米軍事同盟の強化・拡大という圧力を受けながらも、日本の戦争参加を阻止し続け、平和・日本発展の礎として60年の輝く実績を重ねてきました。
そして今、グローバリゼーションの中で世界的に貧困、差別が拡大している状況下、人間の安全保障が求められ、平和生存権を明記した日本国憲法は世界的に注目と期待をうける時代を迎えています。

2.戦争をしない国・日本を期待する国際世論
その一方、この世界に誇る憲法を改悪する動きは次第に強化され、今日、衆・参両院の憲法調査会報告、与党・自民党の「憲法改正草案」が示されるなど、9条とりわけ9条2項改悪の危機がいよいよ具体化しつつあります。
この背景は、世界の40%の軍事力を占めるに至った米国の軍事再編成に呼応した日米軍事同盟強化と日本支配層の国家主義復活への野望の障害物となる平和憲法否定にあります。
しかし、憲法改悪を望む国は、米国他数カ国に過ぎず、多くの国は改憲を望んではいません。改憲は時代の流れでも何でもなく、戦争をしない国・日本に期待する多くの世界市民の声を背に受け止める必要があります。

3.私たちは憲法を発信、発見し、発展させる「発憲」運動を推進します
世界に誇る憲法、とりわけ平和生存権・不戦を明記した前文と9条を世界に発信し、光輝く平和条項の再発見、そして更なる憲法発展を図るため、「発憲運動」を推進します。
具体的には、当面、来年8月までの60周年記念事業を平和憲法と結合し、本部・支部のイベントに「憲法再発見」の様々な取り組みを行います。また、県職としての学習強化を系統的、持続的、長期的に進め、組合員の憲法感覚向上を図ります。
憲法改悪阻止には国民運動の広がりが不可欠であり、国民運動高揚の一翼を担うため、様々な平和・反戦・護憲の活動に参加するとともに、現在結成されつつある様々な「憲法を守る」市民運動との連携・協力を最大限図ります。

2005年12月8日
静岡県職員組合
 
2005年12月号
2005年12月10日 定期第1258号

●最終回答を受け入れ、確定闘争収拾
「地域給」は来年1月再団交、勤務時間改善は1月から

 05賃金確定闘争は、11月1日の副知事交渉を皮切りに、6日間に渡る県当局への要求行動や11日の全職場時間外集会、18日には県庁前早朝総決起集会を開催した。これらの行動を背景に18日の副知事との団体交渉を迎え、ここで最終回答が示された。この回答を受けて組合は、その日の午後に拡大執行委員会を開催し、回答の取り扱いを協議した。取り巻く情勢の中で、賃金切り下げ攻撃に一定の歯止めをかけ得たこと、「地域給」を始めとする給料表構造改革に関する「細部交渉」に入る条件整備はできたと判断し、回答を受け入れることとした。今後は、給与構造改革に関する「細部交渉」を始め、互助会、超勤縮減、男女共同参画などについて労使交渉を進めていく。


05確定闘争ヤマ場を迎えた県庁前早朝総決起集会には、全県から250人を超す組合員が参加した。写真は参加者を前にあいさつする鈴木委員長=11月18日、県庁本館前

回答への対応と今後の取り組み方針
 組合は18日の拡大執行委員会で、以下のとおりの見解をまとめ、今後の方針を確立した。

1.各重点要求への回答評価
(1)  本年度分の基本賃金マイナス改定は不満であるが、一時金の若干の改善と扶養手当減額見送りは、県人事委勧告どおりとはいえ、一定の前進である。
(2)  通勤手当・駐車場料金補助は、「研究」という勧告のカベがあり、今年度見送りとなったものの、来年度決着を明示させ、具体化へ一歩前進した。
(3)  勤務時間の改定時期を、当初の来年4月実施から3カ月前倒しさせ、全国最悪から脱し得たことも一定評価される。
(4)  超勤縮減策は、未だ不十分であるが縮減へのアクションとしては注目でき、次へのステップへの布石とみることができる。
(5)  育児時間延長は、「連続して同一項目改善しない」という当局方針を打破できず、次年度へ引き継がざるを得ない。育児に関する早出・遅出(時差)については、話し合いに入ることとする。
(6)  互助会見直しは、全国的改悪キャンペーンの情勢下大幅な補助金切り下げとなったが、全国水準と比較し、一定の優位性は維持し得たとみることができる。今後、年度末に向け、互助事業のあり方に対する取り組みが引き続く課題である。
(7)  最大の重点課題となった給料表構造改革は、導入そのものを阻止することはできなかったものの、新給料表のあり方への疑問・現給料表の既得権確保・給与水準切り下げ解消方向について、組合主張の反映を確認することができた。完全とはいえないまでも「細部交渉」への土台は確立したと理解される。
(8)  県人勧に示された勤務評価による査定昇給について、今年は具体的な提案をさせず、先延ばしさせたことは闘いの成果として評価できる。

2.全体の評価と今後の対応について
(1)  以上の重点要求の回答を全体としてみたとき、地域給導入を阻止し得なかったことをはじめ、不十分・不満な回答も少なくない。しかし、取り巻く状況を考慮したとき、集中砲火のような賃金切り下げ攻撃に一定の歯止めをかけ得たことは、3カ月の闘いの到達点として確認することができる。とりわけ、給料表構造改革に関する「細部交渉」に入る条件整備はできたと判断される。さらに年度末・次年度早々へ引き継がれる課題の土台を確立し得たことも事実である。従って、副知事回答を受け入れ「細部交渉」をはじめとする新たな局面に闘争を移行させ、要求の実現をめざすこととする。
(2)  具体的には、給料表構造改革に関する来年1月の副知事交渉に向け、「細部交渉」の取り組みを積極的に進め、当面、給与水準の切り下げ解消に全力をあげることとする。同時に互助会事業内容や互助会のあり方そのものの改善交渉、勤務時間改善の詰めの交渉を強化することとする。さらに次年度へ引き継がれた通勤手当・育児時間等については、05春闘のなかで、基本賃金・給与水準とともに最重点に据える方針を確立し、要求実現の闘いを再構築することとする。05春闘は、国公含め公務員賃金抑制阻止の第2ラウンドとの位置づけがされ、また地域給導入に関わり、公民較差をめぐる流動的状況が広がることも想定される。その意味から、本日の回答は今後1~2年続くであろう公務員人件費削減との闘いの再スタートとして受け止めることとする。

3.当面する具体的取り組み方針
(1) 職場報告・教宣オルグ
本日の「回答及び組合の評価と対応」について、11月一杯を目途に各職場への報告・教宣を行う。(支部で計画、本部専従派遣)
(2) 細部交渉への意見集約
12月8日(AM)に拡大執行委員会を開催し、各支部・職場からの細部交渉への意見集約を行う。
(3) 細部交渉小委員会体制
本部執行委員から調査部経験のある鈴木修(主)、石間(副)・須藤・照井の4人及び杉山書記長(事務局)を組合側メンバーとして、当局交渉に臨むこととする。なお、この体制は次年度も継続することとする。(除く事務局)

 拡大執行委員会で回答を受け入れることを決定した後、組合専従役員が総務部長に回答受け入れの報告を行った。妥結に当たり、給与構造改革に関する「細部交渉」、互助会、超勤縮減、男女共同参画、現業等の労使交渉に対応するよう求めた。これらに対し総務部長からは、他県動向も踏まえて対応していくとの回答があった。
 

●2005年度 労働安全衛生に関する要求交渉を実施
マンモグラフィの乳がん検診 06年度から指定年齢で実施
カウンセリング相談の場の確保に努めたい―――メンタルヘルス相談
過重労働対策―――実施状況は年2回報告


組合要求に対して回答する野澤健康指導室長(写真奥中央)=11月16日、県庁別館2階会議室

 11月16日、10月21日に健康指導室へ提出した「労働安全衛生に関する要求書」に対する交渉が行われました。県当局側から健康指導室、人事室、庁舎管理室、組合側から職員安全衛生委員、支部代表、専従役員が参加しました。
 主な回答は次のとおりです。マンモグラフィの導入については「平成18年度から指定年齢(40、45、50、55歳、退職前)を対象に実施する」、メンタルヘルス対策では「対象者には職場復帰受入れ取扱要領で支援している。業務の支援は代替職員、臨時職員等で配慮している」、過重労働による健康障害防止については「産業医による助言指導等実施で実施状況報告を年2回求める」、健康相談については「平成18年度は仕事が終わってからメンタル等に関するカウンセリング相談等ができる場の確保をはかるため予算要求をしていきたい」。
 なお、要求と回答の詳細は以下のとおりです。

《主な組合要求項目と当局回答》

1 健康診断体系の拡充について
 健康診断の体系と検査項目などを、厚生労働省の基準を最低として拡充すること。その際、次の項目を実現すること。
1)定期健康診断について
 人間ドックは希望者全員が受けられるよう予算枠を確保すること。当面、30歳以上の希望者は受診させること。又、受診医療機関数の増加と自己負担額のより一層の軽減を図ること。
 
回答  人間ドックは、共済事業で平成17年度は3,100名の計画に対し、3,228人の希望者全員を実施する。35歳未満の者については、職員健康管理審査会の委員から精密検診と事後指導で対応することが重要との意見をいただいているので実施は出来かねる。受診機関については、第2希望まで聞いているが全員第1希望で対応している。今後も利便を図って行きたい。自己負担の軽減は、平成6年度に軽減しており、これ以上は出来ない。
 成人病検診の内、女子職員の子宮がん・乳がん検診の年齢制限をやめ希望者とすること。なお、乳がん検診はマンモグラフィを取り入れること。又、胃検診の受診時間を男女別に区別すること。
回答  30歳未満の者は、成人検査を受診して頂ければ、受診が可能である。マンモグラフィの導入については、平成18年度から指定年齢(40、45、50、55、退職前)を対象に実施する。胃検診については、県庁では女性専用日を決めている。当面は、現行をベースに要望踏まえて対応する。
 指定年齢検診に骨粗鬆症及び歯の検診を加えること。又、脳ドックは40歳から受診させること。
回答  骨粗鬆症及び歯の検診は困難であるが、食生活等の健康情報の提供に努めたい。脳ドックは50歳を超える者を対象に今年は76人受診予定である。脳血管疾患による在職死亡のほとんどは50歳以上であり、人間ドック希望者の予算確保に重点を置きたいので、無理である。
 受診場所は、職場の近くとし受診に伴う諸経費の自己負担を解消すること。
回答  受診場所は、現在、県庁、総合庁舎を中心に11会場で実施し、利便を図っている。

2)定期健康診断問診票に、前年度の時間外勤務時間を表示する項目を入れること。
回答  問診票は検診時の状況を把握するものであり、過重労働による健康指導の際には産業医には問診票を提出させている。

2 職員健康管理・管理体制及び健康相談事業等の充実・強化について
1) 要医療者に対する健康管理は勤務措置の基準に基づき徹底を図ること。
回答  必要な措置を講ずるように所属長に依頼するとともに、報告を求めている。

 
2) 健康診断の事後指導については、対象者が全員受診できるような体制を確立すること。
回答  必要な対象者に対して効果的な指導が行えるように努力したい。

 
3) 各総合庁舎に「健康相談室」を設置し、産業医等による相談ができる体制を確立すること。
回答  東、中、西ブロックに月1回定期的に相談を行っている。今後もPRして行きたい。又、平成18年度は仕事が終わってからメンタル等に関するカウンセリング相談等ができる場の確保をはかるため予算要求をしていきたい。

 
4) 過重労働による健康障害防止のための産業医による助言指導等実施要領に基づく各所属から健康指導室への報告を年1回から4半期毎に変更し、各所属に一層の徹底を図ること。
回答  国の対策を踏まえて、要領を施行し、円滑な実施に努めている。45時間超えの所属面接の実施は、本庁、出先で80%以上の実施率となり、所属に制度の浸透が図られつつある。今後、実施状況報告を年2回にしていきたい。

3 メンタルヘルス対策の充実について
1) 安心して職場復帰ができるように職員へのサポート体制を確立すること。
回答  対象者には職場復帰受入れ取扱要領で支援している。業務の支援は代替職員、臨時職員等で配慮している。

 
2) 専門医によるメンタルヘルスの診察・相談体制を充実すること。
回答  精神科医が県庁で月4回相談している。今後とも、相談体制の充実に努めたい。

 
3) 職場復帰支援事業は対象者の状況に併せて行うこと。又、特別休暇及び休職中の職場復帰プログラムの場合は通勤災害の対象とし交通費の実費支給を行うこと。
回答  職場復帰支援事業で回復状況を確認している。交通費は支給対象にしていないが、職場で事故等があった場合、問題があると考えているので、今後の課題にしたい。

4 VDT作業における健康管理について
 VDT作業従事者健診は、業務歴、既往歴および自覚症状の有無の調査と受診希望を考慮して、決定すること。
回答  厚生労働省のガイドライン及び県の基準を踏まえ昨年度から全職員を対象に実施している。今年の2次検診対象者は222人である。受診希望者については、今後検討したい。

5 衛生委員会の活動について
1) 衛生委員会の開催は法律に基づいて月1回を基本に開催するよう指導すること。
回答  法律の趣旨として、それぞれの事業者が定める事となっているが、法に定める開催回数については、指導・支援を行っていきたい。

 
2) 50人未満の職場においては、労使対等で運営する任意の「安全衛生協議会」を設置すること。
回答  任意で衛生委員会を設置しているのは、2ケ所(熱海総合庁舎 清水港管理事務所)である。

6 職場環境等について
1) 男女別の休養室を全ての職場に設置し、備品等の更新等の財政措置を講ずること。
回答  法定職場には設置されている。備品については、各職場の需用費で対応して欲しい。

 
2) 職場内の冷暖房については、事業所衛生基準規則に基づき適温(17~28℃)に保つこと。又、時聞外勤務についても同様とすること。
回答  事務所衛生基準規則に基づき、各階のセンサーによって実施している。時聞外勤務中は窓の開閉によって対応している。又、今年、西館は耐震工事のため窓の開閉が出来なかったので、申請に基き冷房を入れた。

 
3) 執務スペース、照明等快適な職場環境の確保と改善に努めること。
回答  毎年、ヒヤリングをして努力している。なお、庁舎のアスベスト対策では、8~9月にかけて調査し、その調査結果が近く発表される予定である。又、庁舎のサンプル調査は今年度中に実施する予定である。

7 職場の安全衛生要求について
 職場からの安全衛生要求については誠意をもって対応すること。
回答  職員安全衛生委員会を通じて、対応している。
 
2005年11月号
2005年11月10日 定期第1257号

●賃金未払い請求訴訟 不当判決
東京高裁に控訴決定
減額調整法廷闘争
「不利益遡及」を実質的に認めつつ原告の請求を棄却

 11月4日、県職の原告団9人が静岡地方裁判所に提訴していた、賃金未払い請求訴訟の判決が出された。判決は、不利益遡及を実質的に認めつつも、私たち原告の訴えを棄却するという不当判決であった。判決後の確認集会で、原告団9人は東京高裁に控訴すること、組合も勝訴に向け全力で取り組むことを確認した。

●賃金未払い請求訴訟とは
 この裁判は、2002年度、県は人事委員会の給与マイナス勧告を受け、団体交渉の合意なしで4月に遡っての減額調整を3月の一時金で行ったことに対するものである。この減額調整は、すでに支払われた賃金を過去に遡って払わせる「不利益遡及」であり、違法・不当なものである。実際に、月例給を一時金で調整する、時間外勤務手当の多かった者ほど減額幅が大きい、減額の時期の関係で児童手当を受給できなかった等、様々な問題が噴出している。
 県職は、この減額調整について県当局を相手取り03年9月11日に提訴した。提訴後、訴訟推進委員会を中心に減額調整の不当性・違法性を理論的に確立し、本部・支部での学習会などを通じて組合員への意思統一を図った。加えて、名古屋大学の和田教授から鑑定書の提出も受け、私たちの理論を確固たるものとした。同様の裁判を提訴した、群馬県職・奈良県職労とも連携し、自治労県本部の支援なども受けながら裁判闘争を続けてきた。
 11月4日、この裁判の判決が出されたが、判決は、不利益遡及を実質的に認めつつも、私たち原告の訴えを棄却するという不当判決であった(判決の要旨は右下のとおり)。判決後の確認集会で、原告団9人は控訴し、組合は勝訴に向け全力で取り組むことを確認した。

●不当判決、控訴決定
 11月4日の判決当日、10時からの判決を前に、群馬県職及び奈良県職労、自治労県本部役員、原告及び弁護士、県職組合員等傍聴団は弁護士会館に集結し、最後の意思統一を行い、その後、静岡地裁に移動した。10時からの判決では、宮岡章裁判長は判決の主文のみを読み上げ、判決の詳細は書面を参考にするよう述べ、わずか数十秒で判決は終わった。
 再び弁護士会館に戻った傍聴団は、判決確認集会を行った。鈴木委員長からは、「判決に怒りを覚える。我々は2年間の取り組みを通じて、減額調整の違法性・不当性を理論的に確立してきた。後からできた法律により、将来に向かって過去を調整することが容認されるのならば、公務員の給与は仮払いとなってしまう。確定した権利を後からできた条例で取り返すのは、少なくとも本人の同意・組合の合意が必要である。皆さんの2年間の取り組みに敬意を表するとともに、控訴に向け新たな一歩を踏み出す」と述べた。
 続いて、来賓として自治労県本部の鈴井委員長、奈良県職労の畑口副委員長、群馬県職の樋口副委員長よりあいさつを受けた。その後、判決の概要について増本弁護士から説明を受け、弁護団を代表して小林弁護士からあいさつを受けた。岡村副委員長からは、判決を受けて控訴することが提起され、それを参加者全員の拍手で確認した。最後に鈴木修原告団長(副委員長)が控訴に向けての決意表明を述べ、岡村副委員長の音頭による団結ガンバローで集会を終えた。
 同日11時から、県庁記者クラブで鈴木委員長、鈴木修原告団長、小林・大橋両弁護士が記者会見を行い、判決の不当性を訴えた。

●勝訴に向けて全力で取り組みを
 今後は、直ちに東京高裁に控訴を行い、高裁に舞台を移しての裁判闘争になる。同様な裁判では敗訴が続き、公務員バッシングという世論もあるが、不利益遡及は労働者として容認してはならないことである。高裁でも、一度合法的に受け取った賃金が遡って減額されることの不当性・違法性を訴えるとともに、現行の人事委員会勧告制度の不備についても主張し、労働者としての権利を確立すべく闘っていく次第である。


▲「原告の訴え棄却」の判決を集会参加者に報告し、控訴に向けて新たな決意を述べる鈴木執行委員長=11月4日・弁護士会館


▲県庁記者クラブで不当判決に抗議する声明を読み上げる鈴木執行委員長(中央右から2番目)と鈴木修原告団長(同右端)及び小林・大橋弁護士(同左から2番目左端)
 

 

 

●判決要旨

主文
原告らの請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。

裁判所の判断
地方公務員の給与等は条例で定められ、議会の条例制定権を制約するような労使合意は法的拘束力を有しない。
本件調整措置は、形式的には3月期の期末手当の額を改正前条例所定の額より引き下げるにすぎないもので、不利益不遡及の原則に違反するものではないが、結果的には、過去に遡って不利益に既払の月例給を減額したのと同様の効果を生じさせている。
公務員の給与も民間労働者の賃金も労務給付に対する対価であり、生活の唯一の糧であるという意味では公民ともに等しい。給与条例の改正によって既に適法に支給された給料を事後的に減額することは原則として許容されないものと考えられる。
とはいえ、法律でいったん定められた財産権の内容を事後の法律で変更しても、その変更が当該財産権に対する合理的な制約があれば許されるところであり、条例の場合も妥当と考えられる。本件においても、高度の必要性に基づく合理的な制約といえるのであれば、例外的に許容されるものと解するのが相当である。
官民給与の比較の結果が月例給の支給に反映されるまでに時間的ずれが生じること自体はやむを得ず、生ずる差額について適切な調整をすることが情勢適用の原則及び均衡の原則から求められており、上記の調整を通じてこそ、人事委員会勧告制度が地方公務員の労働基本権制約の代償機能としての役割を果たすことができる。
以上によれば、本件調整措置は、実質的には不利益遡及に当たると見られる要素はあるが、いったん成立した給与請求権に対する高度の必要性に基づく合理的制約と評価することができるから、適法な財産権の制約であると認められる。
 

●声    明

 本日、静岡地裁は、私たちが2003年9月11日に提訴した賃金未払い請求に対する判決を行った。私たちは、依然として労働基本権が回復されていない公務員労働者である県職員にとっては、法に基づく制度によって充分な権利と生活が保障されるべきであり、根拠なき曖昧な法・制度の一方的解釈による給与削減は絶対にあってはならないと訴えてきた。
 2002年度に、静岡県が行った「情勢適応の原則」の一方的解釈による実質的不利益遡及である「減額調整」は、まさにこのあってはならない典型である。
 私たちは、当然、勝訴しかあり得ないことを確信して口頭弁論において正当性を訴えてきた。しかし、本日の判決は、この私たちの当然の主張を受け入れようとしない極めて不当な判決である。権利を守るのではなく、国の圧力に屈し、権力に追随することは、裁判所任務を放棄するものに等しいと言わざるを得ない。このような判決は到底容認できない。
 このような判決がまかり通れば、労働基本権なき公務員労働者の一層の無権利性拡大を招くだけでなく、民間労働者を含めた多くの労働者の権利侵害に道を開くことは明らかである。
 私たちは、この不当判決に抗議するとともに、直ちに東京高裁へ控訴し、「一審判決破棄、勝訴」に向けて、今後さらに闘いを強化することを表明する次第である。

2005年11月4日
静岡県職員組合
 

●確定闘争後半戦に向け組合員の意思統一を
第177回本部委員会で要求書、方針を決定
11 ・18県庁前早朝総決起集会を成功させよう
 

 10月19日、組合は第177回本部委員会を開催した。これは10月3日に出された人事委員会勧告を受け、今秋の対県要求書や闘争方針を確立するためのものである。委員会には全県で84人が参加し、執行部から提案された議案に対して多くの意見が出され、活発な討論が交わされた。その後、執行部に発言に対する見解が示された後、すべての議案について委員の承認を得た。最後に、県職要求の実現を目指し、全組合員が一丸となって確定闘争に取り組むことを全員で確認した。


▲確定闘争勝利を目指し全員で団結ガンバロー=10月19日、パルシェ7階会議室

 大会の冒頭に立った鈴木委員長は、本委員会の目的が確定闘争方針の確立及び要求書の確認にあるとし、人事委員会勧告で触れられた「地域給」を始めとする給与構造改革と減額調整裁判について述べた。給与構造改革については、国からの圧力が予想以上で来年度から実施するよう勧告している県がほとんどである、国の俸給表は北海道・東北地域の賃金水準を元に作成しており、本県の賃金水準とは関係ない、地域手当を考慮しても、将来的には賃金水準が2%下がり、若年層ほど生涯賃金がマイナスになるなどと指摘し、「地域給」は導入阻止の取り組みを強めるよう訴えた。また、減額調整裁判については、同様な裁判が他県で起こされているものの結果は厳しいが、これまでの取り組みを通じて減額調整は現行制度ではできないと確信しており、敗訴の場合は控訴を予定している、裁判を通じて人勧制度の問題も提起していく、と述べた。
 その後、執行部から経過報告、中間決算報告などの報告が提案された。報告に対しての委員からの発言では、36協定が本格実施となったが、事前命令が徹底されすぎてやむを得ない場合でも事後申請できない、慢性的に時間外勤務をしている人が明らかになり人員増が必要、などの報告があった。これに対し執行部からは、超勤実態を明らかにし人員要求していくなどと答弁があった。
 引き続き、賃金確定闘争(案)、対県要求書(案)などについて執行部から提案された。提案の後、委員からは歴史的に賃金制度改悪となる「地域給」の導入阻止に加え、メンタルヘルス対策の充実、公務員批判に対する取り組みの強化、超勤が申請できない等の問題があれば職場で交渉をすべき、男女共同参画は少子化だけでなくライフステージ全体で進めるべき、減額調整裁判の動向など、多岐にわたり発言がされた。これらに対し執行部からは、「地域給」を始めとする給与構造改革は導入阻止に向け全力で取り組むこと、その他の課題についても改善を求めて取り組んでいくなどと答弁があった。
 今年の闘争は50年ぶりの給与構造改革の取り扱いが最大の焦点となり、昼休み1時間確保や超勤縮減、互助会事業などの福利厚生、男女共同参画や反戦・平和など、他にも多くの課題が山積している。今確定闘争は例年以上に厳しい闘いが予想されるが、組合員の団結の力で乗り切り、賃金水準・労働条件の維持向上を勝ち取ろう。
 引き続き、第3回静岡県職労総会が開催され、主にがんセンター労働組合の活動について報告された。今後は、がんセンター以外の県関係職場で働く職員の組織化が課題となる。


▲本部委員会で決定した要求書を池谷人事室長(写真右)に対し提出する鈴木副委員長=10月20日、県庁東館4階・人事室
 

●労働安全衛生に関する要求書 11月16日に団体交渉

 10月19日の静岡県職第177回委員会で決定した「労働安全衛生に関する要求書」(下記)を10月20日付けで提出しました。そして、これに対する交渉が11月16日に行われます。

 
 

●労働安全衛生に関する要求書

 日頃から、職員の健康管理と労働安全衛生対策にご尽力いただき感謝申し上げます。
 さて、2004年度における職員健康管理状況で在職死亡が8名あり、2005年度(9月30日現在 がんセンター含む)もすでに5名の在職死亡がありました。また、昨年度は自殺者が2名あり、1名たりとも自殺者を発生させない職場づくりがきわめて緊急かつ重要であります。
 一方、定期健康診断の結果は「異常なし」が24.2%で、「要医療者」が25.8%、「要保健指導者」は49.6%となっています。
 また、長期療養者は109名で年々増加しています。疾病分類別では特に精神・行動障害者が66名となり、内34名が39歳以下となっています。
 こうした状況に対して、2005年10月3日の静岡県人事委員会勧告でも、『職員の健康保持と福祉の増進は、職員自身や家族にとっても大切であることはもとより、県民にとって不可欠な行政サービスを積極的かつ的確に提供するという観点からも重要である。このため、メンタルヘルス対策をはじめとする職員の健康管理などの労働安全衛生の取り組みを一層積極的に推進し、年次休暇をはじめとする各種休暇について、利用しやすい環境の整備を図り、積極的かつ計画的な取得の促進を図る必要がある。』と報告のむすびで触れています。しかし、このような実態をもたらしている原因には触れていません。
 私たちは、この原因の一つとして1998年度からの787名にも及ぶ人員削減にあり、職場に多大な負担をもたらし、慢性的な時間外勤務・過密労働と職場環境の変化が拍車をかけ、増大していると言わざるを得ません。
 そのため、従来に増して職員の健康管理の充実や労働安全衛生に関する具体的対策が強く求められるとともに、これに伴う予算の確保やメンタルヘルス対策は緊急かつ極めて重要な課題になっていると言っても過言ではありません。
 つきましては、下記により労働安全衛生に関する要求項目を取りまとめましたので、誠意を持って対応されるよう要求します。
 なお、2005年賃金確定闘争の中で、団体交渉等が行われるよう併せて要求します。


健康診断体系の拡充について
   健康診断の体系と検査項目などを、厚生労働省の基準を最低として拡充すること。その際、次の項目を実現すること。
  1)定期健康診断について
 人間ドックは希望者全員が受けられるよう予算枠を確保すること。当面、30歳以上の希望者は受診させること。また、受診医療機関数の増加と自己負担額のより一層の軽減を図ること。
 成人病検診の内、女子職員の子宮がん・乳がん検診の年齢制限をやめ希望者とすること。
 なお、乳がん検診はマンモグラフィを取り入れること。また、胃検診の受診時間を男女別に区別すること。
 指定年齢検診に骨粗鬆症及び歯の検診を加えること。また、脳ドックは40歳から受診させること。
 受診場所は、職場の近くとし、受診に伴う諸経費の自己負担を解消すること。また、派遣職員の受診については、日数及び受診場所を拡大すること。

2)定期健康診断問診票に、前年度の時間外勤務時間を表示する項目を入れること。

 
職員健康管理・管理体制及び健康相談事業等の充実・強化について
 
1) 要医療者に対する健康管理は勤務措置の基準に基づき徹底を図ること。
2) 健康診断の事後指導については、対象者が全員受診できるような体制を確立すること。
3) 各総合庁舎に「健康相談室」を設置し、産業医等による相談ができる体制を確立すること。
4) 過重労働による健康障害防止のための産業医による助言指導等実施要領に基づく各所属から健康指導室への報告を年1回から4半期毎に変更し、各所属に一層の徹底を図ること。

 
メンタルヘルス対策の充実について
 
1) 安心して職場復帰ができるように復帰支援事業から職場復帰後の職員へのサポート体制を確立すること。
2) 専門医によるメンタルヘルスの診察・相談体制を充実すること。
3) 職場復帰支援事業は対象者の状況に併せて行うこと。また、特別休暇及び休職中の職場復帰プログラムの場合は通勤災害の対象とし交通費の実費支給を行うこと。

 
VDT作業における健康管理について
   VDT作業従事者健診は、業務歴、既往歴および自覚症状の有無の調査と受診希望を考慮して、決定すること。

 
衛生委員会の活動について
 
1) 衛生委員会の開催は法律に基づいて月1回を基本に開催するよう指導すること。
2) 50名未満の職場においては、労使対等で運営する任意の「安全衛生協議会」を設置すること。

 
職場環境等について
 
1) 男女別の休養室を全ての職場に設置し、備品の更新等の財政措置を講ずること。
2) 職場内の冷暖房については、事業所衛生基準規則に基づき適温(17~28度)に保つこと。また、時間外勤務についても同様とすること。
3) 執務スペース、照明等快適な職場環境の確保と改善に努めること。

 
職場の労働安全衛生要求について
   職場からの労働安全衛生要求については誠意をもって対応すること。
 

●白岩総括安全衛生管理者(総務部長)が所信表明
仕事は健康が第一であり、資本である
メンタルは本人も不幸であるが、周りも大変
第2回職員安全衛生委員会開かれる

 10月18日午後、第2回職員安全衛生委員会が県庁別館で開催されました。組合側(岡村副委員長、鈴木副委員長、須藤執行委員、山本執行委員、岩清水県職健康管理専門委員)と当局側(本川職員互助会診療所長、神原県立総合病院長、丸山職員総室長、池谷人事室長、中村庁舎管理室長)から5人ずつ委員が出席し、8月に総務部長に着任した白岩総括安全管理者が座長となり委員会が進められました。
 冒頭、白岩総括安全衛生管理者から「仕事は健康が第一であり資本であるので、健康を守っていきたい。メンタルは本人も不幸であるが、周りも大変である。」と所信表明がありました。
 

●人員削減で職場に余裕が無いのもメンタルの一因だ!

 続いて事務局(健康指導室長)から報告事項があり、次のことについて議論しました。組合側委員から「05年度の長期療養者の状況(05年9月30日現在)は、精神行動障害が53人(04年度からの者8人、再発26人、05年19人)で66%と(全体80人、療養の種類では特別休暇60人、休職20人)増加している。特に30代が20人でうち女性の割合が職員数と比較して高くなっているので、原因の追及が必要ではないか。一般的には、仕事が合わない、長時間労働や人事異動、遠距離通勤、上司との関係等が考えられるが、特に女性は子育て等もあり、人員削減によって職場に余裕が無いのも一つの原因である。」と発言し、長期療養者に対する代替職員の確保状況やメンタルヘルス職場復帰支援事業で職場復帰している状況と定着状況について質問しました。これに対して、事務局から「特定することはなかなか難しい状況がある」と答弁がありました。
 議論では、神原総合病院長から「現在の業務は効率化が求められているので、余裕が無い。人間関係が薄くなっている。」本川職員互助会診療所長からは「メンタルは初期の対応を誤ると60%うまくいかない。最初の段階が大切である。症状が出た時には、早めに休ませることである」と発言がありました。
 長期療養者に対する代替職員の確保状況に対して、「3ケ月以上の者に対しては臨時職員又はアルバイト等で対応している」と池谷人事室長から答弁がありました。メンタルヘルス職場復帰支援事業の職場復帰について、事務局から「53人中17人(男性11人、女性6人)が職場復帰している。なお、04年度は66人中32人(男性23人 女性9人)であるが、その後の定着状況は把握していない」と答弁がありました。
 

●法律違反の事業主へは県職員を派遣するのをやめるべきだ!

 続いて、組合側委員から「在職死亡者は3人(05年9月30日現在)であるが、派遣職員は含まれていない。派遣職員も死亡しているが責任者は誰で対策や指導はどうしているのか。労働安全衛生法に基づく安全衛生委員会は設置されているのか。法律違反をしている事業主ならば県職員を派遣することはやめるべきである」と発言しました。
 これに対して、丸山職員総室長から「派遣先の事業主が責任者である。職員の健康管理体制については確認していないが、報告を求めることも検討したい」と答弁がありました。
 04年度の過重労働による健康障害防止対策について、組合側委員から年間報告では年度途中の実施状況が把握できないので、四半期ごとの報告にすることを主張しました。
 また、時間外労働が100時間超の本人面接実施率は34・3%と低く、未実施の所属に対する指導や異動となった該当職員の実施の徹底が課題となっています。04年度の喫煙対策意向調査(職員アンケート)の結果では、喫煙率が20・6%で確実に低くなっている事が明らかになりました。(93年10月調査 32・9%)
 また、現在の喫煙対策の問題点として、喫煙場所不適当(15・2%)や喫煙者のマナー(14・6%)を挙げています。又、今後の対策では、喫煙場所は維持するが、受動喫煙対策の強化(27・5%)や段階的に喫煙場所を減らし全面禁煙に近付ける(17・9%)を挙げています。審議事項では、2人の在職死亡者の死亡原因等を審議しました。
 

●公共建物のアスベスト状況
調査結果の公表と対策を質問

 アスベストついて、組合側委員から現状の調査状況と対策について質問しました。これに対して、中村庁舎管理室長から「静岡県アスベスト対策連絡会議を8月5日に設置し、現在公共の建物調査を実施している。結果の公表はもう少し先になるが、東部総合庁舎3階の倉庫については、使用していることが判明したので立入り制限の措置をとり、年度内に対応する」と答弁がありました。
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