静岡県職員組合
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2005年度 県職ニューストピックス

 

県職ニューストピックス

県職ニューストピックス
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2005年3月号
2005年3月10日 定期第1246号
自治労君島副委員長
「地域給」・市場化テストとの闘い強化を訴える
 05春闘がヤマ場を迎える中、組合は2月25日に春闘学習会を開催した。講師には自治労本部から君島一宇副執行委員長を迎え、「地域給」や自治体業務のアウトソーシング化の問題点について講演を受けた。学習会には、県職の本部・支部役員や現業評議会の組合員、自治労県本部傘下の組合員など、会場一杯になるほどの参加があり、かつてない厳しい状況にある公務員の現状に対して理解を深めた。
 
 
自治体合理化から組合員・県民を守ろう
 冒頭あいさつに立った県職の鈴木委員長は、「『地域給』や公共サービスの空洞化を阻止し、職場・権利・県民サービスを守っていくため、私たちは意思統一を図っていく必要がある。今回のテーマにあたり、自治労本部から君島副委員長が講師としてお越しいただいたことは、願ってもないことであり感謝申し上げる。今日の学習会を有意義なものにしていきたい」と述べた。続いて、自治労本部の君島副委員長から、「規制改革・民間開放推進に対する取り組み」と題しての講演を受けた(概要は左記参照)。
 君島副委員長は、「地域給」など「給与構造の基本的な見直し(素案)」や、指定管理者制度・市場化テストなど自治体業務のアウトソーシング化の問題点について、1時間40分にわたり熱弁を振るい、問題点の解明と取り組みの強化を訴えた。
 講演終了後の質疑・討論の時間では、多くの参加者から様々な質疑があり、君島副委員長の分かりやすい説明を受け、一層理解を深めた。
 民間労働者を取り巻く情勢は大変厳しい状況に変わりはないが、私たち公務員を取り巻く情勢も厳しさを増している。県職も春闘に合流するとともに、各種合理化に対して適切に対応し、組合員の賃金や権利・県民サービスを守っていく決意を確認し合う集会となった。
 
「地域給」や自治体業務のアウトソーシング化の問題点について熱弁を振るう自治労・君島副委員長 「地域給」や自治体業務のアウトソーシング化の問題点を学び、公務員を取り巻く情勢についての講演に真剣な面持ちで耳を傾ける参加者=2月25日、浜名湖畔(サンレイク美浜)
▲「地域給」や自治体業務のアウトソーシング化の問題点について熱弁を振るう自治労・君島副委員長 ▲「地域給」や自治体業務のアウトソーシング化の問題点を学び、公務員を取り巻く情勢についての講演に真剣な面持ちで耳を傾ける参加者=2月25日、浜名湖畔(サンレイク美浜)
 
【講演】
 「規制改革・民間開放推進に対する取り組み」
【講師】
 自治労本部 君島副執行委員長
 昨年11月に人事院から出された「給与構造の基本的な見直し(素案)」は、地域給の導入、給与カーブのフラット化、能力評価制度の拡大の3本柱で構成され、賃金を大幅に下げることを目的としている。今までも当局が財政難などを理由に賃下げを提案したことはあったが、今は第三者機関である人事院が提案している。現業職員は協約締結権があるのでそれを生かし、非現業職員も団体交渉権を活用すべきである。地方公務員の賃金が高いと言われるが、連合参加の組合の多くは賃金データを公表していない。労組側がデータを出さないならば日経連のデータで比較するしかないが、地方公務員の給与は決して高くないと分かる。
 自治体業務のアウトソーシング化を進める諸制度として出てきたのが、PFI、地方独立行政法人、指定管理者制度である。PFIは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営・技術的能力を活用して行う手法であるが、実際は大企業の利潤追求のための制度と化している。地方独立行政法人は、非公務員型と公務員型がある。それぞれ労働基本権が異なるため、導入を阻止できない場合は公務員型に統一すべきである。指定管理者制度は、現在管理委託している施設について、06年9月1日までに地方公共団体直営にしない施設に適用するものである。指定管理者選定手続きにおける透明性の確保、指定管理者が倒産した場合に施設が使用できなくなる恐れがあるなどの問題がある。以上3つに加え、官と民を対等な立場で競争させる「市場化テスト」も検討されている。これはイギリス等で実施されたが、公共サービスが著しく低下し、失敗している。
 労働組合はこれらの問題についてよく話し合い、職場から声を上げていかなければ、流れを止められないだろう。
 
 
全員参加、全員行動で05春闘勝利を
本部委員会で春闘方針・要求書を決定
 国内経済は大企業の一部が史上空前の収益を上げる一方、労働者は人員削減や賃金切り下げに苦しんでいる。小泉内閣の「構造改革」により、この傾向は一層強まるものと思われる。このような状況で05春闘を迎え、県職は2月3日、第176回本部委員会を静岡市内で開催した。委員会では確定闘争を総括し、県職春闘方針や春闘要求書を決定するとともに、05春闘勝利を目指した行動に取り組んでいくことを確認した。翌4日には県職春闘要求書を人事室長と人事委員会に提出し、05春闘を本格的にスタートさせた。
 
官民一体で「地域給」導入阻止を
 委員会の冒頭あいさつに立った鈴木委員長は、「民間では史上空前の収益を上げる大企業がある一方、68%の法人が赤字決算という数字も出ており二極化が進んでいる。今春闘では、労働者側は統一ベア要求をせず、ベアを取れる組合だけ要求するという姿勢であり、経営者側も賃金抑制ではあるが、収益に応じて分配するという姿勢である。県職としては、全体のベア要求は必要であり、強く求めていく。ここ3年の春闘では、大手や公務員よりも中小企業の底上げを求めてきたが、格差は拡大している。中小の底上げに加えて、自らも闘う必要がある。8月の人事院勧告では、『地域給』や定期昇給廃止が出される恐れがあるが、特に『地域給』は差別を拡大し給与水準を大幅に下げるものである。県職は全体ベア要求、『地域給』の阻止で意思統一していく。3月の副知事交渉を求めているが、自らの労働条件に関与できない今の人勧システムは変えるべきだと考える。賃金未払い請求訴訟も引き続き取り組んでいく。道州制や政令県構想により、職場が大きく変わる可能性がある。36協定の本格締結や昼休み1時間確保などのワークルールの課題もある。今の世の中の流れでは何があるか分からないが、どんな提案が当局から出されても対応できる組織作りも必要である。多くの委員の発言を受け、春闘方針を確立し、前進していきたい」と述べた。
 その後、一般経過報告、中間会計決算報告、会計監査報告が提案され、それぞれの課題について県職としての取り組み結果が報告された。提案された各報告については、8人の委員から質疑が出され、執行部から答弁がなされた。そして、委員の拍手によって承認された。
 引き続き確定闘争総括(案)、春闘方針(案)、春闘要求書(案)、補正予算(案)、組合諸給与旅費支給規程等改正(案)が執行部から提案され、12人の委員から、組織再編、社会保険事務所の取り組み、36協定の本格実施、「地域給」、平和憲法についてなど多くの意見が出された。これらの意見に対し、執行部から個々の発言に答弁するとともに、「出された意見は今後の運動に反映していく」との発言があり、提案されたすべての議案が拍手で承認された。
 翌4日には、委員会で決定した春闘要求書を人事室長と人事委員会に提出した。
 今春闘では、労働界全体の賃上げ、「地域給」の阻止や給与水準の維持・向上、全国の自治体からも注目されている減額調整訴訟、新たな賃金システム導入、36協定の本格実施や昼休み1時間確保に代表されるワークルールの確立、そして平和と民主主義の拡大などに、職場の対話を基本に全員参加、全員行動で取り組み、春闘勝利に向けてがんばろう。
出席した委員に対して、「地域給」を阻止し、生活実態を改善できる賃上げや超勤縮減などの諸要求前進に向け、取り組みを訴える鈴木執行委員長=2月3日、もくせい会館
▲出席した委員に対して、「地域給」を阻止し、
生活実態を改善できる賃上げや超勤縮減などの諸要求前進に向け、
取り組みを訴える鈴木執行委員長=2月3日、もくせい会館
 
減額調整法廷闘争
被告(県当局)の反対を退け鈴木執行委員長の証人採用
次回の第8回口頭弁論が大きなヤマ場!
 「第7回口頭弁論」は2月18日10時から静岡地方裁判所で行なわれた。今回も山梨県職労と自治労静岡県本部各単組役員等をはじめ原告及び組合員の合計32人の仲間が参加し傍聴した。また、口頭弁論後、静岡県庁内で報告集会を開催した。
 
 
2人の証人と原告1人の尋問を申請
証人の発言時間の延長を要求
 傍聴者が全員傍聴者席に着席後、富岡裁判長他2人の裁判官が入廷、全員が一礼し、口頭弁論が始まった。原告の大橋弁護士が、2人の証人と原告1人の「証拠申出書」について説明した。これに対して、富岡裁判長が被告弁護士に対して意見を聞いた。被告弁護士からは、「今回の訴訟は法律論であり証人により立証するものではない。職員団体の合意は不必要であり、証人は必要無い」と発言した。
 富岡裁判長は、「3人の裁判官で合議するので休廷する」と発言し、一旦休廷した。そして、再開廷後、富岡裁判長から、「賃金決定に対して組合の合意が必要か争われているので、鈴木執行委員長の証人を採用したい。他の2人については、陳述書で提出することも出来るので却下したい」と見解が示された。
 これに対して、大橋弁護士は、「鈴木執行委員長1人の証人について同意するが、3人の証人を申請するため1人当たりの時間を短くしており、1人ならば1時間30分を確保してほしい」と発言した。富岡裁判長はこれを認め、被告弁護士からの30分の質問時間を含めて、次回の口頭弁論は2時間行われることになった。また、大橋弁護士は、「名古屋大学和田教授の鑑定書を5月末までに提出したい」と発言した。
 次回の第8回口頭弁論は5月13日(金)13時30分から2時間行われることになった。
 
証人申請と幅広い支援要請等の取り組み強化を
 口頭弁論後、県庁内で報告集会を開催した。主催者を代表して鈴木博執行委員長は、「次回の口頭弁論では、私が証人として発言することになりました。次回も多くの皆さんの傍聴をお願いしたい」と挨拶した。
 来賓として、自治労静岡県本部を代表して庄司委員長から、「被告の弁護士の『法律論』『労使の合意は必要ない』という主張が通れば、非現業の団交は否定されてしまう。最後まで支援していきたい」と連帯の挨拶があった。山梨県職労の畑野副委員長は、「減額調整は公序良俗に反するものである。人勧制度と労働基本権の観点からも重要な問題である。厳しい情勢だが、労働関係が後退しないように応援していきたい」と連帯の挨拶があった。
 大橋弁護士が、「この裁判は法律問題だが、裁判長から実態・状況を聞きたいとのことであり、一定の前進である。鈴木委員長には労使慣行と却下された2人分も含めて述べてもらう。なお、2人には陳述書の提出をしてもらう」と口頭弁論のやり取りや内容について説明した。
 引き続き小林弁護士が次回の口頭弁論について、「証人に対して申請をした側の主尋問が先に行われる。次に被告弁護士の反対尋問があり、裁判所から補足尋問が行われる。裁判は証拠を両方に突き合わさせ、どちらの主張が正しいか判断する」とルールの説明をした。
 岡村書記次長が今後の取り組みとして次の3点を提案した。
(1)次回口頭弁論でのさらに幅広い傍聴の呼び掛けと奈良県職労・群馬県職労との連帯
(2)証人の発言内容と陳述書作成
(3)名古屋大学和田教授の鑑定書作成
 参加者である鈴井自治労静岡県本部書記長は、「県本部レベルでも各単組で支援集会ができないか検討したい」との発言もあり、最後に9名の原告を代表して鈴木修原告団長が、「02年度と03年度の減額調整の制度を変えたことは間違っていたことの認めたようなものである」と傍聴へのお礼と決意表明を行い、山口副委員長の音頭で参加者全員が団結ガンバローを三唱して集会を閉じた。

口頭弁論後の報告集会で、山口副委員長の音頭で団結ガンバローを三唱する傍聴参加者=2月18日、県庁内
▲口頭弁論後の報告集会で、
山口副委員長の音頭で団結
ガンバローを三唱する傍聴参加者=2月18日、県庁内
 
2005年2月号
2005年2月10日 定期 第1244号
05春闘
「地域給」の阻止、組織強化と権利拡大を
 1月7日、組合は静岡市のもくせい会館で春闘討論集会を開催し、79人が参加した。集会では、鈴木委員長のあいさつの後、県職春闘方針や知事宛て春闘要求書が提起された。その後、山形大学教授の立松潔氏による基調講演が行われた。続いて、参加者が3グループに分かれて分散会を行った。集会終了後は恒例の旗開きも行い、05春闘の取り組みと合わせて、今年の組合活動を本格的にスタートさせた。
 
賃金底上げと給与水準引き上げに全力を
 鈴木委員長は、開会あいさつの中で、「今年の春闘の課題は、ベアを勝ち取ることである。経常収益が史上最高となる企業が続出する中で、賃金が目減りし、労働者に還元されていない。大企業と中小企業の格差は拡大し、社会の矛盾も増大している。今年の春闘は、生産性に見合った賃金を勝ち取り、社会の歪みを是正する闘いである。個々の企業では勝てないので、労働界全体で取り組まなければならない。実質的に春闘に参加していない公務員は、春闘期に賃金を確定し、春闘に参加することが必要である。公務員の課題としては、『地域給』すなわち給料表の引き下げ、調整手当の廃止などがある。8月の人事院勧告に向けて取り組みを強めていく必要がある」と述べた。
 鈴木委員長のあいさつの後、県職春闘方針や知事宛て春闘要求書が提起された。続いて、山形大学教授の立松潔氏より、「05春闘を取り巻く政治・経済情勢の特徴」と題して基調講演が行われた(左記参照)。その後、会場を移動して参加者が3グループに分かれて分散会を行い、基調講演の内容や今春闘の課題などについて話し合った。今後は、賃上げと「地域給」の阻止、組織強化と権利拡大に向けて県職一丸となって取り組んでいく。
▲本部委員会で決定した要求書を丸山人事室長(写真右)に対し<BR>
▲本部委員会で決定した要求書を丸山人事室長(写真右)に対し
 提出する中村副委員長=10月15日、県庁東館4階・人事室
 
基調講演
「05春闘を取り巻く政治・経済情勢の特徴」
立松 潔氏(山形大学教授)
都市重視・地方切り捨ての構造改革を進める小泉政権
 2000年までアメリカに引きずられて日本は好景気だったが、2001年のアメリカの景気後退を受け日本も景気が後退した。さらに小泉内閣の痛みを伴う改革により不況は拡大した。2003年はデフレ下での景気回復であり、物価下落分が上がっているに過ぎない。企業はリストラを続け、大企業が勝ち組となる一方で、勤労者世帯の実質消費支出は6年連続でマイナスであり、景気回復していても賃上げに反映されていない。
 最近は、人員削減すると株価が上がる傾向にある。アメリカ的な株主重視志向に日本も追従している。マスコミはアメリカ流をもてはやすが、経済学者はそれに批判的である。終身雇用制は大正時代に始まり、昭和恐慌期にも大企業は人員削減をしていない。不況期に人材をどう維持するかが課題である。我が国の雇用形態別の雇用者数に関して、正規職員は大きく減少する一方、非正規職員及び完全失業者数は大幅に増加している。
 若者の失業率が高まり、就職できてもフリーターが長期化し、若者の多い地域に活気がなくなっている。若者の雇用創出を充実させる必要がある。フリーターは30代後半から40代にも広がっており、経済格差が拡大し、自己破産や自殺者の増大につながっている。
 世帯あたりの所得格差を示すジニ係数は大きくなっており、平等社会と言われた日本は不平等社会に変わってきている。こういうときこそ雇用の悪化を食い止める政策が必要だが、小泉政権はその逆をやっている。竹中平蔵大臣の「公平な格差論」では、モラルハザードや自助努力が強調され、成果主義の拡大と福祉の抑制の根拠となっている。さらに都市重視・地方切り捨ての構造改革を進めている。
 今後の対策としては非正規労働者の待遇改善、箱もの中心の公共事業は変え、一律削減ではなく地域に選択させることなどが必要である。
▲講師の立松潔氏
▲講師の立松潔氏
 
1月12日 組合専従役員・知事交渉
「地域給」に反対し、
本県の主体的賃金決定システムの検討を
 1月12日、組合四役及び専従役員は、石川知事との交渉を行った。交渉の中で組合からは、①地方財政や地方機構(道州制)は、国ではなく地方から発信・発案するスタンスをとること。具体的に本県の「政令県」構想を内外に一層積極的にアピールし、県民合意と検証を進めること、②「地域給」は、公務員給与の切り下げ・差別化とともに、今までの制度・仕組みを改悪するものである。従って、「地域給に異議あり」の姿勢を示すとともに、本県の主体的賃金決定システムの検討を進めること、③36協定本格実施を契機とし、超勤慢性化職場の一掃を図る強力かつ具体的な対策を進めること、などを訴えた。また、勤務時間を明確にすること、などを申し入れた。
 これに対し、石川知事からは、①政令県構想はあちこちで反響が出ている。地方分権はスローガンだけではなく、具体的な政策を考えていく段階である、②民間準拠だけで給与を決めてよいのかという思いはある。職員一人当たりの人口、全体収入に占める人件費などのものさしがあってよい、③職務の効率を上げ、その証拠をPRして県民に理解を求めるべき。勤務時間の問題は労使でよく話し合えばよい、などの考えを示した。
▲石川知事に対し、政令県構想、地域給の問題点、具体的な超勤縮減対策などを申し入れる組合専従役員=1月12日、県庁内知事室
▲石川知事に対し、政令県構想、地域給の問題点、具体的な超勤縮減対策などを申し入れる組合専従役員=1月12日、県庁内知事室
 
2005年1月号
2005年1月1日 「静岡県職」第1241号
年頭のごあいさつ 執行委員長 鈴木 博
「地域給」による賃金構造の改悪を阻止し、
賃金・権利・政策の諸要求を前進させよう
 新年明けましておめでとうございます。2005年の正月は如何だったでしょうか。この一年が組合員の皆さんにとって良い年となることを、まずもってご祈念申し上げます。私たち職員組合も、皆さんの安心・安全・平和に大きく貢献できるよう、今年も全力を上げる所存です。ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
 昨年は、台風・大雨・地震が多発した一年でした。新潟県など北陸地方に大きな被害をもたらしましたが、本県でも中部の大雨や東部・伊豆の台風による被害も少なからず生じました。そして年末には死者15万人といわれるインド洋大津波という大災害が発生し、本当に災害に明けて暮れた一年であったといえます。被災された皆様に改めてお見舞い申し上げるとともに、被災者を支援するための当組合カンパに多数組合員の皆さんのご協力を頂いたことに心から感謝申し上げます。今年は、支援カンパをしなくてもよい穏やかな一年であってほしいと願わずにはいられません。
 さて、今年の職員組合にとって最大の課題は、「地域給」への対策となります。「地域給」というと「地域の実情に合った適切な給与」という受け止めをするかもしれませんが、実はとんでもない改悪案です。つまり、その内容は、「地域差を重視し、最も低い地域に合わせて給料表を5~10%減額する」というものなのです。これは、今までの公務労働の同一労働同一賃金の原則や本俸主体の賃金構造を抜本的に変更するものであり、これを梃子としてさらに給料表のフラット化、そして定昇廃止=査定昇給という公務員給与構造改悪の柱となるものです。私たちとしては到底容認できるものではありません。今年8月の、国・人事院勧告を巡る国家公務員レベルの問題としてスタートしますが、私たちは、全国の公務員労働者と連帯して改悪阻止に全力を注ぐ方針です。
 また、今年は県職場における働く環境づくりも節目の年となります。36協定が、今年にはいよいよ本格的に制度化されることになりますが、本県における正式な労使協定として、近年では初めての取り組みです。そして、超過勤務の慢性化解消も、より一層具体的な取り組みにする予定であり、加えて、充分な休養と効果的な業務のためにも、昼休み時間の改善を求める要求が急速に高まっています。これらの要求課題についても組合としての任務をしっかり果たしていきたいと考えています。
 さらに、市町村合併と連動して都道府県の在り方が問われ、とりわけ「道州制」についての検討が本格化しています。この動向によっては、県職場に大きな変化をもたらすことが想定され、組合としても「道州制」を巡る議論に積極的に関与する政策活動を今まで以上にレベルアップしていく考えです。
 以上のとおり、今年は賃金・権利・政策の3分野での課題が山積していますが、職場の実態と声をもとにして、一つ一つの取り組みを強め、前進を勝ち取る決意です。変わらぬご協力を重ねて要望し、新年にあたってのご挨拶とさせていただきます。
 
減額調整 法廷闘争
過去に遡って勤務条件を不利益に変更する場合は、職員の同意が絶対必要
12月17日、第6回口頭弁論開かれる
 第6回口答弁論は、12月17日10時から静岡地方裁判所で行なわれた。第1回口答弁論は、昨年12月16日に行われ、ちょうど1年が経過した。今回も山梨県職と自治労静岡県本部各単組役員等をはじめ原告及び組合員の合計38人の仲間が参加し傍聴した。なお、口答弁論前に静岡県弁護士会館で事前集会を開催した。主催者を代表して鈴木執行委員長は、「いよいよ、この口答弁論も終盤に近付きつつある。今後、証人等も申請し、取組みの強化を図っていきたい」と挨拶した。引き続き、増本弁護士が、今日の口答弁論での第5準備書面(別記要旨参照)について説明した。また、口答弁論後も報告集会を開催し、今後の取組みについても議論した。
口頭弁論前の集会であいさつする鈴木執行委員長=12月16日、静岡県弁護士会館内
▲口頭弁論前の集会であいさつする鈴木執行委員長=12月16日、
 静岡県弁護士会館内
 
 
被告県当局準備書面に反論
増本弁護士が第5準備書面を説明
 傍聴者が全員傍聴者席に着席後、裁判官が入廷、全員が一礼し、口頭弁論が始まった。富岡裁判長が、原告側弁護士に第5準備書面の説明を促した。増本弁護士は、「被告県側からの第3準備書面で、いったん条例で定められた給与請求権を事後的に条例を変更して、遡及的に変更することも許されるとして、最高裁昭和53年7月12日判決を引用しているが、今回の事例には当てはまらず、明確な誤りである」と指摘し、第5準備書面の趣旨を説明した。
 これに対して、被告弁護士から特に反論はなかった。裁判長から、原告側に対して法律家等からの意見書又は鑑定書の提出について催促があった。これに対して、「現在意見書等を依頼している最中であること」を答弁した。
 次回、第7回口答弁論は2月18日10時からとなった。
 
証人申請と幅広い支援要請等の取組み強化を
 口答弁論後、高橋文教部長の司会進行のもと、報告集会を開催した。来賓の自治労静岡県本部を代表して鈴井書記長から、「最近の裁判で、自衛隊官舎へのイラク派兵反対のビラ配布について無罪の判決が下された。喜ばしい判決だ。この減額訴訟裁判でも皆で頑張ろう」と連帯の挨拶があった。山梨県職労畑野副委員長からは、「この静岡・奈良・群馬県職労の減額訴訟裁判については、自治労本部の大会や中央委員会で支援するように発言し応援してきた。公務員制度の根幹にかかわる問題でもあり、引き続き支援していきたい」と激励の挨拶がされた。
 引き続き、小林弁護士から、口頭弁論で行った第5準備書面の説明を行いながら、「将来に向かっての減額でも同意が必要であり、ましてや過去に遡って減額することは個別の同意が必要であり、絶対に許せない」と強調した。続いて、中村副委員長が今後の取組みとして、①3県職(群馬・奈良・静岡)の弁護士を含めた更なる連帯の強化、②証人尋問の申請者の決定、③学者への意見書または鑑定書の依頼、④訴訟勝利のために各団体・個人への幅広い支援要請の4点を提案した。
 参加者からは、「今回の裁判で労使合意が否定されるような判決が出た場合、一方的に賃金の切り下げ等がされないか心配だ」等の発言もあり、最後に9名の原告を代表して、鈴木原告団長が傍聴へのお礼と決意表明を行い、団結ガンバローを三唱して集会を閉じた。

 
≪第5準備書面の要旨≫
【第1 勤務条件(給与)の確定と労使間合意について】
①平成14年4月から12月分までの月例給は、その内容、金額を旧条例によって決定され、原告と被告との間を規律する権利義務となっている。被告が行った今回の減額措置は、この原告らの個々人の具体的な権利となり、すでにその履行を完了したものを奪う行為である。
②勤務条件の不利益な変更を言うとき、将来に向けて勤務条件を不利益に変更する場合と、過去に遡って勤務条件を不利益に変更する場合が、それぞれ考えられるところ、前者の将来に向けて勤務条件を不利益に変更する場合でも、労働者の合意・同意が必要とされる。ましてや、後者の過去に遡って勤務条件を不利益に変更する場合には、将来に向かって不利益な変更を行う場合以上に、個別の同意が絶対的に不可欠である。が今回の措置は、不利益な変更を遡及させる措置である。被告は、月例給の支給基準を変更して減額し、かつ、この月例給の減額に伴って、残業手当などの計算も再度やり直して減額しており、これは明らかに、月例給の減額を過去に遡って行ったものである。

【第2 不利益不遡及の原則について】
①被告は、本件調整措置を「3月期の期末手当の額を引き下げたものであり、…給与を引き下げたものではない。」旨言うが、これは誤りである。今回の措置は「期末手当を引き下げた」のではなく、明らかに「月例給」を引き下げ、これを期末手当てから差し引いたものである。
②被告は、「3月期期末手当ては3月1日を基準として請求権が発生するもので、新条例はそれ以前に制定・施行されているから、この新条例による期末手当の変更は、将来の期末手当の変更を行うもので、不利益の遡及的な変更を行うものではない」旨言うが、3月1日を基準日とするのは、支給対象者の確定を行うためになされる手続的なものに過ぎず、このことをもって、遡及して不利益な減額措置を否定するのは誤りである。
③被告は「いったん条例で定められた給与請求権を事後的に条例を変更して、遡及的に変更することも許される」として、最高裁昭和53年7月12日判決を引用しているが、この判決は、国有農地の売払いに関する特別措置法の合憲性について判示した判決であり、不利益な処分を法律をもって遡及的に適用することを合憲であると認めたものではない。
④被告は、「民間ではほとんど支給されない3月期の期末手当」によってなされていると主張しているが、原告らに支給される期末手当は、年間を通して官民の比較対象とされているのであって、この3月期の期末手当も含めて民間の年間賞与との比較が行われている。何も、民間にないような特別なプラス加算を3月期の期末手当で行っているのではない。この期末手当は、長期に渡る公務員賃金制度として、3月期に支払われていたに過ぎず、原告等公務員労働者の生活設計上欠かせないものとして定着していたものである。
 
裁判の傍聴に参加を!
第7回口頭弁論は2月18日
 次回の口頭弁論は、2月18日(金)10時に静岡地方裁判所において開かれます。ぜひ多くの組合員の皆さんの傍聴をお願いします。
 
2004年12月号
2004年12月10日 「静岡県職」第1240号
最終回答を受け入れ、確定闘争終結
係長級昇任者に特昇実施、役職加算10%対象拡大
新幹線通勤の認定要件緩和、有料道路の範囲拡大
 04賃金確定闘争は、11月2日の副知事交渉を皮切りに、延べ7日間に渡る県当局への要求行動や12日の全職場時間外集会、また、19日には県庁前早朝総決起集会を行った。このような行動を背景に22日の副知事との団体交渉を迎え、最終的な回答が示された。この回答を受けて組合は、その日の午後に拡大執行委員会を開催し、回答の取り扱いを協議した。現在の県職を取り巻く諸情勢を考慮したとき、若干とは言えプラス部分を引き出し得たことは闘いの到達点であると判断し、回答を受け入れることとした。今後は、1月末に向けての特勤手当交渉、3月末に向けての昇任・人事・人員・機構での取り組みを05春闘の先行課題として位置づけ、要求前進に向けて闘争を再構築する。
 
勤務時間は「研究する」、特勤手当は継続交渉に
 11月22日に行われた鈴木雅近副知事との団体交渉において最終回答が示され、この回答を巡って内容や理由・趣旨の明確化、今後の方向について確認した。
04確定闘争ヤマ場を迎えた県庁前早朝総決起集会には、各支部・分会から250人を超す組合員が参加した。写真は参加者を前にあいさつする鈴木委員長
▲04確定闘争ヤマ場を迎えた県庁前早朝総決起集会には、
各支部・分会から250人を超す組合員が参加した。
写真は参加者を前にあいさつする鈴木委員長=11月19日、県庁

県庁前早朝総決起集会で確認した決議文を丸山人事室長(写真手前右)に対して提出し、支部の独自課題を訴え、改善を求める各支部代表者(写真奥)=11月19日、県庁
▲県庁前早朝総決起集会で確認した決議文を丸山人事室長(写真手前右)
に対して提出し、支部の独自課題を訴え、
改善を求める各支部代表者(写真奥)=11月19日、県庁

 
 
回答への対応と今後の取り組み方針
 今年の確定闘争で最大の焦点となった特別昇給の運用方法については、係長級昇任時の現行3月短縮から6月短縮へ改善は示されたものの、約120人分の未活用という内容は不十分であり不満が残る回答となった。しかし、次年度の枠限度活用や平成19年度の給与水準枠組み完成という方向を確認したことは、一定の具体的な回答であった。
 通勤手当については、新幹線通勤の認定要件緩和と有料道路の範囲拡大をすることができたが、遠距離通勤者の自己負担解消の課題は残っており、当面は今回提起した駐車場料金支給を次の重点として闘いを進めることとなる。
 役職加算については、中堅層の給与水準の改善の一つとして、現行の係長級4年経験且つ41歳から41歳を外す回答となった。実質的に対象者が1~2年拡大したことは前進と言える。 
 特殊勤務手当の見直しについては、廃止や大幅減額を提案した手当の実施時期を1年先延ばしという経過措置を引き出し、その他についても組合からの新たな要求も合わせて来年1月末を目途に継続交渉となった。
 組合員からの要求が強かった昼休み問題については、「研究する」という問題意識を持たせるに止まり、極めて不満が残る回答となった。この間の団体交渉の経過から副知事及び総務部長の実態認識の著しい欠如が明らかになっており、この要求を継続的に訴え、次年度決着を目指していく。
 福利厚生については、利用券配布事業は昨年と同額の回答を得たが、互助会への補助金は掛金1に対して0・8から0・7への削減となった。当初回答の0・6から若干押し戻し、互助会事業に支障がないことを確認した。
 今後は、1月末に向けての特勤手当交渉、3月末に向けての昇任・人事・人員・機構での取り組みを05春闘の先行課題として位置づけ、要求前進に向けて闘争を再構築する方針である。
 
静岡県職春闘討論集会
 県職は、2004確定闘争を収拾し、特別昇給や昼休み問題など残された課題へ全力で取り組むとともに、2005春闘に向けた取り組みを今後進めていきます。そこで、2005春闘を前進させるために、情勢・課題への意思統一を深め、全職場で学習・対話集会をスタートして、下記のとおり春闘討論集会及び旗開きを開催します。

《2005春闘討論集会》
◆日 時:2005年1月7日(金) 13時30分~17時20分
◆場 所:もくせい会館1階・富士ホール
◆内 容:講演、春闘方針討議案提起、分散会
★講 演
「05春闘を取り巻く政治・経済情勢の特徴」
 山形大学教授 立松 潔 氏

《2005県職旗開き》
◆日 時:2005年1月7日(金) 17時30分~19時
◆場 所:もくせい会館1階・富士ホール
各分会からの積極的な参加を要請します
 
2004年度 労働安全衛生に関する要求書に係る交渉
人間ドック希望者全員受診は努力したい
過重労働対策 非常勤産業医の配置を予算要求
乳がん検診 マンモグラフィは検討
VDT作業の希望者受診 今後検討
 去る11月18日、04年度労働安全衛生に関する要求書に対する交渉が組合側職員安全衛生委員を始め支部代表者も参加して行われた。この中で、組合は左記の要求について特に主張した。(下記「主な組合要求項目と当局回答」参照)
 こうした回答を受けて、第2回職員安全委員会が11月25日に開催された。この委員会では、職員管理事業の実施状況や在職死亡及び長期療養者の状況などの報告と労働安全衛生要求に対する回答の審議が行われた。組合側委員は、労働安全衛生要求に対する回答の中で、「35歳未満職員からも人間ドックの希望が多いことや公立学校共済適用職場の職員が自分で人間ドックを受診すると互助会からの6300円の援助はあるが、その他はすべて自己負担となっており、せめて県が負担をしなければならない1万500円は援助しても良いのではないか」と主張した。
 なお、04年10月末現在までの在職死亡者は5人で、その内2人が自殺だった。また、長期療養者は74人で内メンタル(精神行動障害)は48人となっており、03年度(44人)をすでに上回っている。なお、現在の長期療養者は42人で休職者は21人(内訳・精神行動障害16人、それ以外の疾病5人)となっている。
組合要求に対して回答する野澤健康指導室長(写真中央)=11月18日、県庁
▲組合要求に対して回答する野澤健康指導室長(写真中央)=11月18日、県庁

《主な組合要求項目と当局回答》
★要求項目1 定期健康診断(人間ドック・乳がん検診等)について
 人間ドックは、今年希望の3,063人全員が受診した。来年も3,000人を予定しており、35歳以上の希望職員については努力したい。35歳未満は健康管理審査会の意見では成人病検診、精密検査、事後指導が重要であり現状では必要ない。また、公立学校共済適用職場については、共済が異なっているのでできない。軽減は平成6年度に軽減したのでこれ以上はできない。乳がん検診のマンモグラフィの導入については、今後検討したい。
★要求項目2 職員健康管理体制等の充実について
 要医療者への勤務措置の徹底については、所属長に依頼し、報告させている。事後指導については、保健所の担当者会議で要請している。今後も充実に努めたい。過重労働対策については、各所属の衛生担当者に10月27日に通知し徹底をした。17年度に非常勤産業医を1人予算要求し、充実に努めたい。
★要求項目3 メンタルヘルス対策の充実について
 メンタルヘルス対策は、今年から「心の健康診断」を5年間で実施している。県庁では月4回、東部・西部は隔月で相談を実施している。職場復帰支援事業については、該当者の意思を尊重し実施している。
★要求項目4 VDT作業における健康管理について
 VDT作業の検診については、今年からシステムを変更した。希望者の受診については検討したい。
 
地域給与・給与制度見直しに対する要請はがき運動にご協力ください
~人事院の「素案」を撤回させ、合意による給与見直しの実現を~
◇取り組み期間 12月20日(月)まで
◇取り組み対象 全組合員及びその家族
◇取り組み方法 はがきの裏面に人事院への
 要請事項を記入して下さい。

 人事院が来年の勧告をめざし具体化に向けた検討作業を進めようとしている地域給与・給与制度の見直しについて、公務員連絡会は地域給与・給与制度見直し闘争委員会を結成し、取り組みを強めています。11月11日には申入れを行い、交渉・協議を強めるとともに、その要求実現に向けた取り組みの一環として要請はがき運動を進めています。
 また、年明けからは、2005春季生活闘争の諸行動と一体で地域における運動を開始することとしています。地域における取り組みは、公務員の地域給与問題だけでなく、地域経済や中小・地場企業の活性化や賃金の底上げ、雇用の確保・拡大と一体的に取り組みを進める方針です。
 地域の取り組みの成功に結びつけるためにも、まず、我々の声を人事院に届けることが重要です。すべての組合員(家族を含む)の要請はがき運動へのご協力をお願いします。
 
こころの医療センター分会発
病棟再編による人員削減反対闘争
 8月26日、病院側から今年度中に1病棟(50床)を閉鎖すると発表があった。2006年度に予定されている病棟再編に向けて、病院側が組合員の声を無視して合理化を推し進めている。病棟閉鎖に至った経過やこの間の分会の取り組みについて山上分会長に伺った。
応対する山上分会長
▲応対する山上分会長

★病棟閉鎖に至った経過について教えてください。
―院内で今年度中に1病棟(50床)を閉鎖すると発表されたのは8月末ごろです。2006年度に予定している病棟再編に向け、大学教授や民間の有識者を交えた「懇談会」の中で、県立精神病院の在り方について各方面から意見を聞いた結果、350床に対して250床前後の入院患者しかいない現状では、早急に病床数を減らすべきだとの意見が出たそうです。

★その決定に対して分会ではどのような対応をしましたか。
―病棟閉鎖は私たちの労働条件に直結する問題であるにも関わらず、組合との協議が全くされないまま決定したことに憤りを感じました。分会では直ちに要求書を提出して、組合員への説明と話し合いの場を持つことを訴えました。

★病院側が説明した病棟閉鎖の理由を教えてください。
―病院側の説明では、①非定型抗精神病薬が出現して以降、全国的に見ても外来対応の患者が増加し、入院患者数が減少している、②厚生労働省からの精神病床縮減の方針に沿っている、の大きく2つに起因するとのことでした。また、赤字経営が続いていることも理由の一つに挙げていました。

★病棟閉鎖に伴う人員配置についてはどうですか。
―12月1日に南2病棟を閉鎖して、患者とスタッフは今年度に限り各病棟に振り分けるとのことです。2005年度の人員配置については未定であり、人員削減(他病院への転属や退職者の不補充等)の方向で話が進んでいるため、組合員の間では不安が募っています。

★病棟閉鎖に対して組合員の声はどうですか。
―分会では、病院側への要求を記入したステッカー活動の取り組みを行い、組合分室前の廊下に掲示しています。その中では、「赤字経営の責任を職員に擦りつけるな」、「本人の意向を無視した異動は絶対反対」、「先行きが見えず安心して働けない」といった意見が大半を占めています。

★今後の取り組みについて教えてください。
―12月中旬に院長交渉を予定しているので、病棟再編に係る進捗状況と方向性について問い質していきます。分会の取り組みとしては、病院経営に関わる情報が降りてこないため、対応策を立てづらいのが現状です。全国的に病床削減や民営化等が進んでいる中で、今後は分会独自に県立精神病院の在り方について研究・議論することの必要性を感じています。

★最後にメッセージがありましたらお願いします。
―病院側の病棟閉鎖の決定に対して早急な対応が求められていた時期に、時間外に集まれる場所としての組合分室が組合員の心の支えになったことは明らかであり、その必要性を認識させられました。分会活動の拠点として活用している組合分室に、情報収集のためのパソコンや直通電話の設置等の整備を組合本部にお願いしたいです。病棟閉鎖に係る取り組みに限らず、保育所問題、管理夜勤問題、健康管理問題など課題が山積していますが、「良い医療は、良い労働条件から」を合言葉に、過去の諸先輩方が勝ち取ってきた権利を守り、前進していく活動を組合員一丸となって取り組んでいきます。

組合分室前の廊下に掲示されたステッカー
▲組合分室前の廊下に掲示されたステッカー
 
2004年11月号
2004年11月10日 「静岡県職」第1239号
確定闘争後半戦に向け組合員の意思統一を
第175回本部委員会で要求書、方針を決定
11・19県庁前早朝総決起集会を成功させよう
 10月4日に人事委員会勧告が出され、今秋の対県闘争を前に要求書や今後の闘争方針を確立するため、10月14日、もくせい会館において第175回本部委員会を開催した。委員会には全県で87人が参加し、執行部から提案された議案に対して多くの意見が出され、活発な討論が交わされた。その後、執行部から発言に対する見解が示された後、すべての議案について委員の承認を得た。そして最後に、県職要求の実現を目指し、全組合員が一丸となって今確定闘争に取り組むことを全員で確認し、団結ガンバローで締めくくった。
▲確定闘争勝利を目指し全員で団結ガンバロー=本部委員会後の県職労総会にて
▲確定闘争勝利を目指し全員で団結ガンバロー
 =本部委員会後の県職労総会にて
 
一時金・特別昇給など課題山積
 委員会の冒頭、あいさつに立った鈴木博委員長は、「2年前までこの時期には県職大会を開催していたが、それが6月開催となり、代わりに当委員会を開催している。対県要求書や当面の方針を決定し、組合員がお互いに意思統一を図る重要な位置づけである。当面の大きな課題としては、賃金闘争と政策課題がある。
 賃金闘争については、これまでに人事院及び県人事委員会への取り組みを進めてきた。人事院勧告では、定期昇給廃止や地域給が来年以降の課題として触れられている。また、人事委員会勧告では、私たちが強く要求した一時金が据え置きとなり、駐車場料金や新幹線通勤の適用拡大に触れていない。成績主義に関しては、インターネットモニター調査や民間企業との懇談会の結果を、勧告主文とも言える『むすび』に掲載し、成績主導入を誘導している。このような勧告上のハンディを背負って対県闘争に臨むことになる。また、賃金水準や特別昇給などの残された課題もある。賃金改悪に歯止めをかけるため、しっかりした意思統一が必要である。加えて、不利益遡及の裁判で一年が経過している。緊張感を持って取り組んできた結果、当局から反論書が出てきた。裁判を行っている3県職の会議に自治労本部も参加するなど、広がりのある運動になってきた。これも、今年の確定闘争の柱として取り組んでいく。
 政策課題では、8月に県職自治研集会を開催し、行政も巻き込み、オープンで内容の濃い集会となった。県が今後どうなるかというのは避けて通れない課題であり、県職としても『合併と県政を考える会』のメンバーで議論している。その他、36協定の本格実施や勤務時間・昼休み問題など、多くの課題がある中、全組合員がどう意思統一し、運動を進めていくかがこれからの大きな課題である」と述べた。
 
活発な討論で今後の闘争方針を確認
その後、執行部から経過報告、中間決算報告などの報告が提案された。これに対して委員からは、職場要求が進んでいないのは問題である、特別昇給の成果をニュースで知らせるべき等の意見が出された。引き続き、賃金確定闘争方針(案)、対県要求書(案)などについて執行部から提案された。これに対し委員からは、男女共同参画・昇任格差の是正、平和と民主主義の取り組み、出先機関再編などについて意見が出された。これを受け杉山書記長などが答弁を行った後、今後の取り組み課題を反映した委員会スローガンを参加者全員で確認した。
 翌15日には、委員会で決定した対県要求書を丸山人事室長に提出し、27日には鈴木雅近副知事への要求説明を行うなど、県職は確定闘争の後半戦を本格的にスタートさせた。
 なお、引き続き第2回静岡県職労総会を開催し、主にがんセンター労働組合の活動について報告された。今後は、がんセンター以外の県関係職場で働く職員の組織化が課題となる。
▲本部委員会で決定した要求書を丸山人事室長(写真右)に対し提出する中村副委員長=10月15日、県庁東館4階・人事室
▲本部委員会で決定した要求書を丸山人事室長(写真右)に対し
 提出する中村副委員長=10月15日、県庁東館4階・人事室
 
静岡県関係職場労働組合連合第2回総会を開催
 はじめに、県職労を代表して船山副委員長のあいさつで総会が始まり、続いて、増田書記次長から昨年度の活動報告と今年度の活動方針が提起された。
 今後の活動方針については、「とりわけ看護師の中途退職が相次いでいるがんセンターの労働条件を改善し、『働き続けられる職場作り』をスローガンに活動を続ける。また、がんセンター以外の県関係職場で働く職員の実態を把握し、団結・連帯の前進を図り、県庁をはじめとする臨時・非常勤職員の組織化への取り組みを具体化する」ことが提案された。
 そして、すべての議案について承認された後、出席したがんセンター労働組合の執行部が紹介された。そして最後に、「県職労」が多くの県関係職場の組合を結集した統一組織として、一定の主体性をもって今後も活動することを参加者全員で確認し、総会を終えた。
▲県職労総会でがんセンター労働組合の執行部が紹介された。右から船山委員長、増田書記長、小林執行委員、山田書記、平松書記次長=10月14日、もくせい会館・富士ホール
▲県職労総会でがんセンター労働組合の執行部が紹介された。
 右から船山委員長、増田書記長、小林執行委員、山田書記、平松書記次長
 =10月14日、もくせい会館・富士ホール
 
静岡県関係職場労働組合連合(県職労)とは?
2002年4月に開設した「静岡がんセンター」は、同年9月の開院とともに地方公営企業法の全部適用となった。そこで働く職員は、直接、静岡県職員組合に加入することができないことから、がんセンター労働組合が結成された。このがんセンター労働組合と静岡県職員組合を事実上連結する統一組織として、静岡県関係職場労働組合連合(県職労)が2002年9月に結成された。
 
 
減額調整 法廷闘争
第6回口頭弁論は12月17日裁判所に足を運んで傍聴しよう!
 
証人申請も準備して取り組みを強化したい
 去る10月26日に開催した志太榛原支部の支援集会(学習会)には、組合員108名が参加しました。司会は、志太榛原支部勝又書記長が行い、県職本部を代表して鈴木執行委員長が、「昨年9月11日に賃金未払い訴訟裁判を静岡地方裁判所に提訴してから早1年が過ぎた。これまで5回の口頭弁論が開催されたが、組合員に一層の理解と協力を得るため全支部での学習会を開催することにした。志太榛原支部は支援集会として、こんなに多くの組合員の参加を頂いたことに感謝したい。今、裁判の状況は我々原告の第4準備書面の提出に対して、被告県当局は当初、答弁書のみで済まそうとしていたが、最近、準備書面を用意し反論してきた。これからは、証人申請なども準備して取り組みをさらに強化していきたい。そのため、12月17日の第6回口頭弁論の傍聴にも参加して頂きたい」と挨拶をしました。
 
増本弁護士、熱弁をふるう
傍聴席を満員にして裁判官に訴えよう
 続いて、原告弁護団の一人でもある増本雅敏弁護士から、「2002年の減額調整は、条例で確定していた賃金を改正後の条例で実質的に不利益遡及して、2003年3月の一時金で天引きしたものである。これは、『昨日100円で買ったサンマを今日になって、昨日のサンマは150円だったので50円不足分を支払ってもらいたい』と溯って徴収するようなものである。そのため、『おかしいことはおかしい』と裁判所に訴えたものであり、最近では、民間の労働組合が裁判に訴えることはなかなかできなくなっている中で、このような取り組みは意義のあるものである。その訴状内容の第1は、2003年3月の一時金が未払いとなっており、賃金の全額支払いの原則に反しており民法第415条による損害賠償責任として債務不履行である。第2は、県当局の不利益不遡及の原則に反する違反、月例給の差額を期末手当から控除した違法、賃金の全額支払いの原則に反する違法など民法第709条の不法行為である。第3は、債務不履行と不法行為により損害賠償責任となるが、憲法第29条第1項の財産権の侵害である。また、これまで4回の準備書面を用意し5回の口頭弁論が行われ、その都度傍聴席をほぼ満員にしてきた。裁判官も人間であり、こうした事は極めて重要である。今後も是非傍聴席を一杯にして支援してほしい」と訴状の内容とこれまでの経過について報告しました。
 
小林・大橋両弁護士も各支部で報告
 最後に、原告団にもなっている志太榛原支部八木支部長が、「私もおかしいことはおかしいと思う気持ちが原告団の一員として加わった理由です。裁判闘争の勝利の日まで頑張りますので、御支援宜しくお願いします」と決意表明し、参加者からの大きな拍手の中で支援集会を閉じました。
 その他の支部でも、上記のとおり開催され、原告弁護団の小林達美弁護士と大橋昭夫弁護士も講師を務めました。なお、県庁支部は11月26日に行う予定になっています。
 第6回口頭弁論は、12月17日10時から静岡地方裁判所6階6号法廷で行われます。
 是非、傍聴参加をお願いします。

訴状の内容と経過を報告する増本弁護士(写真右)=10月26日、藤枝総合方舎
▲訴状の内容と経過を報告する増本弁護士(写真右)
 =10月26日、藤枝総合方舎

志太榛原支部の減額調整裁判学習会には108名の組合員が参加した
▲志太榛原支部の減額調整裁判学習会には108名の組合員が参加した

【各支部の開催実績】
●小林達美弁護士
 10月21日西遠支部(天竜) 22人参加
 10月27日中遠支部 49人参加
●大橋昭夫弁護士
 10月18日西遠支部(浜松) 41人参加
 10月26日静岡支部 43人参加
 10月28日東部支部 32人参加
●増本雅敏弁護士
 10月19日富士支部 41人参加
 10月22日賀茂支部 23人参加
 
第30回の節目に改めて公共サービスを考える
 10月21日から23日に、群馬県内で地方自治研究全国集会が開催され、全国から約3000人が集まり、県職からも7人が参加した。第30回の節目となった今回は、地方自治と公共サービスをめぐって様々な「改革」が進んでいる中で、社会・経済・地域の持続可能性や、基礎的公共サービスの供給、地域のニーズや特性を考慮した将来のまちづくりなど、地域社会と市民のくらしの質を高める方向に向かっているか、公共サービスを担う人々の働きがいにつながっているかを問いなおす集会となった。
 第一日目は、全体集会が開かれ、ニュージーランド公務労組のポール・コクラン氏による特別講演や、パネルディスカッションが行われた。パネルディスカッション前半のオリエンテーションでは、今年の県職自治研集会で基調講演をおこなった辻山幸宣氏(地方自治総合研究所主任研究員)が、「市町村合併は思ったほど進んでおらず、なぜ合併が進まなかったかの検証が必要。過去の自治労運動を振り返ると、民間委託された後の点検ができていない。民間委託されたサービスも公共サービスとしての責任を果たしているかの確認が必要である」と述べた。
 パネルディスカッションでは、「『協働ネットワークと新しい公共』の可能性」と題して、武村正義氏(龍谷大学客員教授)をコーディネーターに、田中一昭氏(拓殖大学政経学部教授)、樋口恵子氏(評論家、東京家政大学名誉教授)、畑中茂広氏(福岡県豊津町長)、山本幸司氏(公務労協事務局長)をパネラーに迎え、討論が行われた。

▲全国から約3000人が集まった。=10月21日、群馬県ぐんまアリーナ
▲全国から約3000人が集まった。
 =10月21日、群馬県ぐんまアリーナ

 二日目・三日目は、「自治・自立」「保健・医療・福祉と協働ネットワーク」「地域再生・まちづくり」「人権・文化のまちづくり」「環境自治体」の5つの統合分科会及び今回から設定された「自治研活動入門コース」に分かれ、各テーマ別に議論を深めた。
 今回も、各県本部から多くのレポートが提出された。県職も「静岡市の政令指定都市構想への問題提起」を提出している。

今回初めて行われた「自治研活動入門コース」の様子
▲今回初めて行われた「自治研活動入門コース」の様子
 
自治研活動とは?
「職場の仕事を通じて、行政や公共サービスのあり方を検討し、自らの仕事を問い直していく運動」と定義する。県本部・単組・職場・地域での取り組みを基礎に、2年に一度全国集会を開催し、成果の検証や、研究・活動成果の公表、ワークショップなどを行っている。
 
2004年10月号
2004年10月10日 「静岡県職」第1237号
給料表・一時金とも据え置き
成績主義言及内容は拙速・不当
対県闘争勝利に向け、本部委員会を成功させよう!
 県人事委員会は、10月4日知事及び県議会議長に対して今年度の人事委員会勧告を行った。この勧告の特徴は、勧告史上初めて給料表・一時金とも改定がなかった点である。一時金については、民間の動向や県商工労働部の統計を見ても不満の残る内容となっている。また、通勤手当の改善については、私たちがこれまで強く求めてきた駐車場料金の新設や新幹線通勤の適用拡大には触れていない一方、有料道路料金の支給に前進回答があった。報告の中では、成績主義について国で動きがあり地方にも影響があるので、その研究を行う旨触れている。人事評価制度見直しに当たっては、「職員や住民の理解を得ながら」との記載もあるが、民間の失敗例が多く、職場が混乱する恐れが高い成績主義の導入に触れたことについては拙速であると言わざるを得ない。また、モニターや懇談会などの結果を単なる資料ではなく勧告主文ともいえる「むすび」に掲載したことは、人事委員会の姿勢の変化と低下を露呈するものであり、極めて不当である。超勤縮減や男女共同参画については例年通り触れているが、より踏み込んだ、実効性のある勧告を期待した私たちとしては残念であった。この勧告を受け、いよいよ県当局との交渉を本格化させることになる。その前段として組合は10月14日に開催される第175回委員会で「対県要求書」「闘争方針」などを決定し、具体的な取り組みを行うことになる。この委員会を組合員全員の団結で成功させ、対県闘争に勝利しよう。
 
人事委員会勧告・報告の主な内容
(1) 公務員制度改革及び給与構造の基本的見直し
 国の動向に一層の注意を払うとともに、職務・職責を基本に勤務実績・業績を的確に反映した給与制度等を構築する観点から、本県の実情を十分勘案しながら、公正で納得性の高い評価システムのあり方などの研究を進めていく必要がある。

 
(2) 時間外の縮減及び職員の健康管理について
 時間外勤務の適正な把握・管理を基本に、知事部局における時間外縮減モデル室での取組み成果を踏まえ、効果的な時間外勤務縮減対策を引き続き計画的・体系的に進めていく必要がある。
 メンタルヘルス対策について、引き続き着実に取り組むとともに、年次有給休暇をはじめ各種休暇制度の積極的かつ計画的な取得の促進を図る必要がある。
(3) 男女が共同して働きやすい職場環境づくりについて
 各種の休業・休暇制度を男女が共に取得しやすい職場環境の整備を図るとともに、仕事と子育ての両立を支援するための意識啓発や情報提供、業務を行う上での負担軽減等に取り組んでいく必要がある。
 男性の育児参加を促進する観点から、配偶者が出産の場合の休暇について、他の都道府県の動向を踏まえ、制度の拡充を図っていく必要がある。


▲人事委員会闘争では、5日間にわたり多くの組合員が参加する中、「職員生活に配慮した」勧告を行うよう要請行動が行われた
 
「福祉政策要求」に関わる専従役員・副知事交渉を実施
 組合は、9月17日鈴木雅近副知事との交渉を行った。知事の言う「4K」(健康、環境、教育、交流)政策のひとつである「健康」の具体的中身を明らかにさせることを目的に、(1)05年4月からの介護保険制度抜本改革の課題についての所見、(2)保育所の拡充の状況と子どもの権利が侵害されている現状改善への対策、(3)地域生活の移行促進に向けたグループホームの設置拡大、④健康危機管理体制の整備、の4項目を中心に副知事の考えを質した。
 これに対し副知事からは、(1)制度全般の見直しとなるため、見直しの理念や方向性、改正の内容に注目していく。負担と給付の兼ね合いもある。(2)保育所の待機者をなくす努力はしている。子どもの権利侵害は昔と違い非常に増えており、市町村・警察・学校などとの連携が必要である。(3)グループホームは「施設から地域へ」の流れの中で重要であり計画的に推進する。(4)市町村に福祉行政の権限が移譲する流れの中で、危機管理体制は県全体の問題として一定の水準を確保する必要がある、と回答があった。
 最後に組合から、住民の意向を重んじ今後も福祉行政に尽力するとともに、こころの医療センターで検討されている病棟閉鎖及びそれに伴う人員配置見直しについては拙速な対応をしないよう要請し、交渉を終えた。


▲組合が示した制度政策要求についての具体的な中身を明らかにさせるため、鈴木雅近副知事(写真右)の考えを質す鈴木博委員長他組合専従役員(写真左)=9月17日、県庁
 
減額調整法廷闘争 新条例附則4項は違法・無効
9月17日、『第5回口頭弁論』開かれる
 第5回口頭弁論は9月17日、静岡地方裁判所で行われ、山梨県職、自治労静岡県本部単組役員等と原告及び組合員の合計40人の仲間が参加し、傍聴を行った。また、口頭弁論後、静岡県弁護士会館で報告集会を開催した。
 
大橋弁護士、第4準備書面を説明
 今回も、新聞記者席を一部開放したこともあり、傍聴者は全員傍聴席に着くことができた。始めに、原告側の大橋弁護士が第4準備書面の説明を行った。説明の要点は、(1)附則4項は労使合意がなく違法である、(2)附則4項は附則の本来のあり方に反し、不利益遡及を行っているため無効である、(3)被告県の期末手当算定方法によっても不利益遡及は明らか、である(詳細は、「第4準備書面の概要」参照)。
 
被告(県)も準備書面を提出
 その後、被告から準備書面を提出したという報告があった。被告準備書面の要点は、(1)公務員の勤務条件は条例・予算の形で決定するのが憲法上の原則であり、労使合意は不要である、(2)本件調整措置(不利益遡及)は合理性を有するものであり許される、であった。
 
他県職と連帯して勝訴をめざす
 口頭弁論後、中村副委員長の司会進行のもとに報告集会を開催した。主催者を代表して鈴木委員長は、「今回、被告から改めて準備書面が出てきたのは、当初の準備書面では説明不足だと判断したからだろう。被告の主張は一貫して賃金改定は労使合意ではなく勧告及び条例によって行われるとし、労使合意がなければ無効なのかと原告に聞いてきている。これに対し、私たち原告としては準備書面を提出し、的確に反論していく必要がある。今回の不利益遡及が被告の主張する合理性の範囲内かどうかを検証する必要がある。この裁判は自治労傘下の各県も支援しているので、今後もがんばろう」とのあいさつがあった。続いて、自治労県本部の庄司委員長から、「8月6日の人事院勧告で能力給・査定給について触れており、これを政府は交渉事項ではないと主張している。一方、ILO勧告では公務員にスト権を付与せよとあり、いかに日本の公務員が前近代的な労使関係におかれているかが分かる。我々は公務員の労使関係が後退しないようがんばらなければならない」とあいさつがあった。続いて、小林弁護士から今回の口頭弁論の報告があり、中途採用者よりもそれ以外の組合員のほうが不利益が大きい点などの指摘があった。山梨県の新津副委員長からは、今後も支援していく旨あいさつを受けた。岡村書記次長からは、今後の取り組みとして、証人尋問申請の申し立て、各支部での学習会の実施、各団体・個人に対する訴訟支援の拡大などについて提起があった。鈴木修原告団長の決意表明の後、鈴木委員長の団結ガンバローで集会を締めた。
 なお、群馬県職労から裁判闘争勝利を祈念する「檄布」が届いた。そのため、報告集会の後、原告団・傍聴者では群馬県職労に送る連帯の寄せ書きを行った。群馬県職労からの檄布は県職本部書記局内(県庁本館1階)に掲示しているので、お立ち寄りの際には御覧ください。


▲閉廷後に開かれた報告集会で、鈴木修原告団長が裁判闘争の勝利を目指して決意表明を行った=9月17日、静岡地方裁判所内の弁護士会館

裁判の傍聴に参加を!
第6回口頭弁論は12月17日
次回の口頭弁論は12月17(金)日午前10時から静岡地方裁判所において開かれます。多くの皆さんの傍聴をお願いします。
 
●県職減額調整訴訟これまでの経過
 2003年9月11日、組合は組合員を代表して9人の原告団を組織し、2003年4月から12月の給与を2004年3月期の一時金で「減額調整」したことは違法性があるとして、県当局を相手に「未払い賃金等損害賠償請求訴訟」を静岡地方裁判所に起こした。その後、「憲法29条違反、財産権侵害」を訴え記者会見を行った。
【第1回口頭弁論】(2003年12月19日)
被告答弁書「給与は人勧・条例・情勢で決定する。労使合意不要」
原告団長陳述「不利益遡及は違法・不当」
【第2回口頭弁論】(2004年3月5日)
第1準備書面「労使合意は無視されるべきでない。合意に基づいた過去の経緯を示す」
求 釈 明「原告らの減額明細を提示すること」
【第3回口頭弁論】(2004年5月28日)※裁判長交代
第2準備書面「合意の重要性と事実を示す。情勢原則から不利益遡及を認めることは誤り」
求 釈 明「より詳細な月別減額明細を示すこと」
被 告 側「不利益遡及か否かは解釈の違い」
「合意がなければ条例は無効なのか」
被告準備書面「減額の概要と条例例規集」
【第4回口頭弁論】(2004年7月9日)
第3準備書面「改正条例附則第4項は不利益遡及であり違法・不当」
被告準備書面「原告の減額月別明細」
被 告 側「合意と同意がなければ条例無効というが同意があった者だけ減額できるという事か」
 
大橋弁護士が説明した『第4準備書面』の要旨
第1 新給与条例のうち附則4項は違法である
1.公務労働と民間労働には本質的に差異がない
 公務労働には地方自治体の有する権力的・公共的な機能を担当するという側面が含まれているが、ほとんどの公務労働が民間労働と差異のない事務的・技術的・現業的な労働であって、労働の質に於いて民間労働と変わるところはない。
 民間労働にも公共性の強い職務はあり、公務労働にも公共性の薄い職務もあるから、「職務の公共性」のみで公務労働を特徴づけることはできない。結局、公務労働と民間労働の差異は、労働の質ではなく、使用者が誰であるかに尽きる。
 使用者が地方自治体であるからといって、地方公務員の労働契約関係と民間労働者のそれとが異質なものとして認めるわけにはいかない。原告らは、経済的社会的地位に於いて労働者と言いうるし、被告県は原告らの賃金等の労働条件を決定し、原告らの提訴する労務に対し指揮命令をし、使用者として登場しているのであって、原告らと被告県の労働契約関係が民間労働のそれと異なることはない。
2.原告らの労働条件の決定は労使合意が前提
 公務労働と民間労働との間に本質的に差異がないとすると、原告らの賃金その他の労働条件は、職員組合と県との間で労使自治の原則、労使対等の原則に基づき団体交渉を行い決定するのが原則である。最終的には、原告らの勤務条件は条例によって決定されるのであるが、あくまでも労使合意が前提条件である。とりわけ、本件新給与条例附則4項のように全く前例のない不利益遡及を労使合意なくして行うことは、人勧制度をもってしても違法のそしりを免れないことは明白である。

第2 新給与条例のうち附則4項は無効である
1.附則の本来のあり方
 条例は本則と附則で構成されるが、本則は附則以外の部分であって、条例の主体的部分である。附則は本来、本則に附随して、条例の施行期日、その条例の各規定の適用関係などの置かれる附帯的部分である。このような性質の附則に、本質的な事項を規定することは、条例作成の常識としてはありえない(亡林修三法制局長官「法令作成の常識」(日本評論社刊68ページ)参照)。
2.不利益の遡及
 新給与条例附則4項は、既に支払済みの2002年4月1日から同年12月31日までの原告らの賃金と同年12月18日に制定された新給与条例による賃金の差額を、2003年3月14日に支給された期末手当から差し引いたものであって、原告らに不利益を遡及して課したものである。これは、不利益不遡及の原則に反し無効であるから、被告の2003年3月14日の期末手当の減額措置は期末手当支払債務の不履行に該当し、被告県は原告らに対し、新給与条例の本則どおり期末手当の全額を支払わなければならない。仮に新給与条例の附則4項が有効に成立していたとしても、附則4項は、原告らの勤務条件を変更し、不利益を個々の原告に課すものであるから、その不利益を被る原告らの同意がなくては、附則4項に基づく減額措置の適用・執行はできない。本件は、原告らの勤務条件を原告らの同意を得ることなくして一方的にしたものであって、附則4項の適用・執行は無効であり、新給与条例の本則どおり期末手当の全額を支払わなければならない。

第3 被告県の期末手当算定方法によっても不利益遡及は明らかである
 被告県は原告らの求釈明に対し、2004年6月29日付準備書面によって、各原告の2003年3月期の期末手当の算定方法を説明した。これをもとに原告らが計算し集計したところによると、2002年4月から12月までに支給された本給、調整手当、扶養手当、時間外手当等が減額の対象になっていることが明らかになった。しかも、時間外勤務手当を多くするほど不利益が大きいという矛盾も生じている。

第4 被告県に対する求釈明
 時間外勤務手当については、算定基礎となる時間外勤務の時間を各月毎に明らかにするよう求める。なお、中途採用者の調整方法はどのように行うのか併せて求める。
 
2004年9月号
2004年9月10日 「静岡県職」第1236号
出先機関再編に関する要求書を提出
 出先機関の再編に対して、組合は各支部を通じて職場組合員の意見を要求書にまとめ、9月1日、要求書を行政改革室長あて提出した。今後、行政改革室長・人事室長交渉の中で回答を求めていく。要求書の内容は以下のとおりである。

出先機関再編に関する要求書
1.行政センターに関すること
(1) 内部事務(庁舎管理、集中総務など)については、事務所管組織を早期に明らかにすること。
(2) 防災方面部の名称については行政組織として不適切と考えられるので、事務所名を防災センターまたは防災事務所とすること。
(3) 労政事務所の業務については、機能の充実が重要であり、所管機関の人員を充実させること。また熱海、北遠の労働相談はニーズを掘り起こし常駐体制で実施すること。
(4) 管内人口の少ない賀茂地区は、業務量を踏まえ、他の地域の事務所との違いを明らかにすること。

2.北遠農林と西部農林の統合に関すること
(1) 統合にあたっては、北遠地区関係機関との意思疎通をはかり、産業振興に影響を与えない方向で慎重に検討すること。
(2) 組織・人員については、県民サービスの低下を招かないよう、現行水準を維持すること。

3.西部健康福祉センター、北遠健康福祉センターの廃止に関すること
(1) 合併前の6月30日まで県としての責任を果たすため、現機能を維持できる人員を配置すること。
(2) 円滑な業務引き継ぎのために行う職員派遣については、組合と協議し、本人意向を尊重すること。また施設、設備の譲渡を含め円滑な業務の引き継ぎを行うこと。
(3) 西部、北遠健康福祉センターの廃止の場合、事務処理の体制確立のため中東遠健康福祉センターに十分な人員を配置すること。当面権限移譲のない西部健康福祉センター相談部については、浜松市の政令指定都市化まで単独事務所として浜松に設置し、また一時保護所も併設すること。
(4) 西部健康福祉センター浜名分庁舎については行政サービスを低下させないため支所として存置すること。

4.静岡土木に関すること
(1) 山間地域の緊急対応のため俵沢地域に支所または出張所を設置すること。
(2) 17年度以降の水防配備体制についての方針を早期に明らかにすること。
(3) 引き継ぎや会計検査などに配慮するため、政令指定都市移行後2年間の人員配置については必要かつ充分な対応を行うこと。
(4) 円滑な業務引き継ぎのために行う職員派遣については、組合と協議し、本人意向を尊重すること。

5.浜松土木、天竜土木の統合に関すること
(1) 浜名支所を支所として存続させること。
(2) 佐久間支所、水窪支所、春野支所、細江支所廃止の場合の緊急対応体制を確保すること。
(3) 天竜土木は規模を縮小しても事務所として存置すること。

6.こころと体の相談センターに関すること
(1) 静岡市への事務移譲後について、虐待防止の専門チームや担当職員研修スタッフの設置及び充実させ、全県対応の事務所体制を確立すること。
(2) 円滑な業務引き継ぎのために行う職員派遣については、組合と協議し、本人意向を尊重すること。

7.健康福祉センター、農林事務所、土木事務所の支所化・駐在化に関すること
(1) 志太榛原健康福祉センター榛原支所、富士健康福祉センター富士宮支所及び富士土木事務所富士宮支所を駐在化することは、公務能率や行政サービスの低下が明らかであり、合理的な理由がないため、現行支所として存置すること。
(2) 沼津土木事務所土肥支所の修善寺支所への統合に際して、旧土肥町、戸田村への緊急対応の方針を明らかにすること。
(3) 袋井土木事務所大東支所の掛川支所への統合については、現支所周辺部の緊急対応など規模、業務内容を明らかにすること。
(4) 志太榛原農林事務所川根支所廃止の場合の緊急対応体制を確保すること。
 
 
米海軍イージス艦の清水港入港に抗議する緊急集会
日本政府の米国追従を許さない
8月13日の「米海軍のイージス艦が清水港に入港する」という報道を受け、8月20日、急きょ抗議集会を開催することになった。米軍艦の入港は、1998年11月の駆逐艦「カッシング」の入港以来3回目となり、今回は、イージス艦「カウペンス」が入港した(当初「レイク・シャンプレーン」が入港する予定だったが、台風15号の影響で変更になった)。今回の集会は、米軍艦の清水港入港に抗議するとともに、平和憲法改悪の動きに反対するため、静岡県平和・国民運動センターなど4団体の主催で行われた。
 開会にあたり、主催者を代表して静岡県平和・国民運動センターの庄司会長より、「この入港は、核兵器を搭載できる軍艦の入港であり、非核三原則違反である。昨今のMD(ミサイル防衛)計画や米空軍司令部の統合は危険である。憲法9条の改悪も言われる中、今回の集会を積み重ね、清水港の軍港化を阻止し憲法改悪を阻止しよう」とあいさつがあった。続いて連帯のあいさつとして憲法擁護静岡県民連合の酒井代表から、「米海軍は、入港の既成事実を積み重ね、清水港を軍港化しようとしている。核兵器がないと安易に判断し入港を受け入れる国・県に対し、私たちは市民の生命・平和を守る立場で抗議の意思表示をする」とあいさつがあった。
 また、イージス艦の清水港入港に抗議し、平和憲法を守る集会アピールを自治労県本部の小林さんが読み上げ採択し、清水地域勤労者協議会の秋山さんの音頭でシュプレヒコールを上げた。最後に、静岡県勤労者協議会連合会の堀田さんが、「敗戦後、日本が他国の人を殺さなかったのは、平和憲法があったからである。しかし今、戦争への道を進み始めている。私たちは戦争反対の声を上げ続けなければならない」とのあいさつで集会を終了した。

▲清見潟公園で県平和・国民運動センター主催の
 抗議集会が行われ80人余りが参加した
 
 
2004平和行動IN長崎に参加して
 今回、連合主催の「2004平和行動IN長崎」に、組合員の皆さんから預かった折鶴5000羽を持ち込んで参加しました。
 今回の長崎訪問では、長崎の被爆以外にも、長崎、広島以外での核兵器の被害、長崎の被爆体験を伝え方、そして、高校生を中心とした、核兵器廃絶に向けた新しい取り組みについて学びました。
 はじめに、長崎原爆資料館を見学しました。8月9日、午前11時2分に原爆は投下され、その悲惨さを写真や証言、復元模型そして遺品などで示していました。倒壊した大学病院、教会、溶けたガラスと瓦、炭化した人間、皮膚が焼け溶けた患者。原爆により約7万4000人が亡くなり、約7万5000人の負傷者が出ました。しかし、強制連行された朝鮮人、中国人、そして連合軍捕虜に関しては、正確な数字は分かっていません。
 太平洋諸島や旧ソ連、アメリカの核実験場における地域住民、兵士の被曝。アメリカにおける核兵器製造やウラン採掘の労働者の被曝者です。日本は「唯一の被爆国」と言われていますが、世界各国では、核兵器を使用していなくても、造られ、存在したことにより、被害を受けている人が多くいることが明らかにされました。
 その後、連合が主催する平和集会に参加しました。「構成詩―親子で綴る平和の願いⅢ」は、組合員とその子供たちが歌、詩の朗読で原爆の悲惨さを伝えるものであり、大変印象に残るものでした。また、高校生が自分たちで企画して運営している「高校生1万人署名」の取り組みも紹介され、核兵器廃絶の運動が、若い人に新しい形で受け継がれていることを印象付けられました。ちなみに、8月9日は長崎県内の学校は登校日でした。
 そして、8月9日。原爆が投下された時間に原爆犠牲者慰霊式典、その日の夜には地元住民とともに慰霊と平和の願いを込め万灯流しを行いました。
 静岡は、焼津の第五福竜丸などの被爆体験があります。核兵器廃絶の大きな動きをつくるためにも、広島、長崎から学ぶだけでなく、静岡でもこのような運動を広めることが必要ではないかと考えました。
青年部長 寺田清一郎

▲組合員の皆さんから預かった折鶴5000羽を持ち込んで
 参加した寺田青年部長(中央)=長崎市平和公園


▲平和への願いを込めて全国から寄せられた折鶴
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